吉松隆(作曲家)氏のブログ、冴えてる!
私が毎月、更新を楽しみにしているブログが、作曲家・吉松隆氏の「月刊クラシック音楽探偵事務所」だ。私の書き散らしブログとは一味違った深みとキレは、軽い嫉妬を覚えてしまう。
今月の「クラシック音楽の新しいレパートリーを考える」も面白かった。
クラシック音楽って、業界とファンの中で完結する価値観とマーケットによって成立している(だから、「のだめ」は偉大なのだ)。なので、あまたあるクラシック音楽の批評、エッセイって、「壁」の内側でしか通用しない“内輪話”が多い。そんな中で、吉松氏の文章は、「壁」の外側と内側を行き来しつつ、複眼的な視点でクラシック音楽を語る、数少ないブロガーだと思う。
いわゆる「現代音楽」的な曲を現代音楽専門のコンサートで演奏する限りは、マニアがマニアの音楽を聴き合っている狭い閉鎖空間。例えて言えば、トカゲやヘビやムカデが並ぶところに「爬虫類マニア」や「鱗マニア」が集まってくるのだから、不協和音や変な音を「気持ち悪い!」などと言う人はそもそも紛れ込んでいない。
逆に、ちょっとウロコが光っていたり、尻尾がトゲトゲだったりすれば「おおー」と感嘆の声が上がる。「普通の人が見たらヘンに思うんじゃないか?」などと我に返りさえしなければ、楽しくも温い世界なのである。
あは。言いえて妙! 私、こういう文章を書けるようになりたいのだ。
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