病院に通い詰めるシニア男性の気持ちが分かった!

初めて胃カメラ検査を申し込む

先週は年に一度の健康診断(半日ドッグ)。50代半ばに入ったので、通常の検診メニューに加えて自費診療の胃内視鏡の検査と前立腺がんのPSA検査を加えてみました。胃カメラを飲むのは初めての経験です。

コロナ予防対策をしっかりしてるとはいえ、健康診断に出かけたクリニックは会社員の受診者でいっぱい。いつもどおり、採血、心電図、身体測定等、一人ひとり番号順にこなして行く途中で、名前を呼ばれて女性看護師(以下「看護師A」)に付き添われ、私だけ別室に移動。そこは胃カメラ検査の待合室でした。

女性医師
理想の健康診断のイメージ

待合室のイスに座って、最初に看護師Aから胃カメラ検査についてひと通りの説明がありました。看護師Aは30代半ばでしょうか。胃カメラ検査は初めてであることを伝えると、にこやかな笑顔でていねいな説明をしてくれます(自費診療であることも影響しているのだろうか)。

当クリニックでは胃の動きを止める注射「ブスコパン」を用いること。のどに局所麻酔をかけること。麻酔をかけるとのどが動かなくなるので、つばは飲み込まずに吐き出すようにしてほしいこと…などなど。

説明の後、ひと通りの検査前の問診票に記入。看護師Aは待合室を出ていき、検査医師に確認をした後、5分後に待合室に戻ってきて「検査を行っても問題なし」という判断結果を私に告げました。

そして、ブスコパン注射。筋肉注射のため結構痛かった。次に、のどの奥に霧吹きで麻酔散布。ヒリヒリと辛かった。で、検査室に移動。

女性三人にベッドを取り囲まれる

検査室に入ると、女性の医師ともう一人女性看護師(以下「看護師B」)がいました。私の中で胃カメラとレントゲンは同じようなイメージがあり、勝手ながら、整形外科によくいそうな筋肉質の男性医師だと思いこんでいたのです。意外だった。

医師はピアニストの小川典子さんに似た快活な感じの女性。看護師Bは色白のちょっと癒やし系の雰囲気。どうやら女性3人がかりで検査を行うみたい。

ベッドの上で横向きに寝るように指示を受けて身体を横たえると、看護師Aと看護師Bがベッドを挟んで私の両側に立ちました。そして、クッキーの「型抜き」のようなプラスチック製の器具を口にくわえさせられました。

次の瞬間、女性医師が真っ黒なチューブのようなものを手に接近してきます。

それは2センチ強はありそうなえらく太いチューブでした。スピルバーグ監督の映画『宇宙戦争』で見た三脚歩行機械「トライポッド」の触手を思い出しました。先端に目玉が付いているやつ。

「最近の胃カメラは細くて、鼻から入れるので苦しくない」ってよく耳にしていたのに。ここの内視鏡は旧式のカメラなのだろうか。

黒い触手をグッと挿入!

女性医師が「じゃ、入りますよ!」と声をかけて、断固として私がくわえたクッキーの型抜きの中に黒いチューブを挿入しました。こわいわ!

胃カメラビギナーである私の顔面はこわばっていたと思います。看護師Bが「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」とつぶやきながら私の腰をさすり始めました。

目の前にはモニターがあり、画面の中には私の食道が映し出されています。

「ここ逆流性食道炎ですね」と医師。「そうそう、そうなんです」と言いたいところですが、しゃべることはできません。目で返事をしました。

内視鏡の太いチューブはどんどん中に入っていきます。

看護師Aの「苦しくないように、息をゆっくり吸って吐いて、吸って吐いて。続けましょう」という声に合わせて、少しローテンポの呼吸をします。

看護師Bが相変わらず「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」とつぶやいて、私の腰をさすっています。

「はい。胃の中、きれいですね。先に十二指腸まで進みますね。狭くてちょっと苦しいけど頑張りましょう」と医師。

看護師Aは「吸って吐いて、吸って吐いて」。看護師Bは「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」。

「十二指腸は大丈夫です。これから胃のシワを伸ばすために空気を入れます。ゲップしたくなっても我慢してください。ゲップをするとイチからやり直しです」と医師。

目で「我慢します! 我慢します!」と訴える私……。

ハートウォーミングな体験はクセになりそう

するすると胃カメラのチューブが抜けて、検査は約5分で終了。口にくわえていたクッキーの「型抜き」をようやく外してもらい、ホッとしました。きつかった。

医師「胃の中、とってもきれいでした。問題ありません!」

看護師A「がんばりましたね!」。

看護師B「すごくスムーズでした。とても上手でした!」。

何だかちょっと心が温かくなりました。だって50代半ばになると、会社でも家庭でも褒めてもらうことってまったくありませんから。女性3人に褒めてもらうとこんなにうれしいとは。うれし、はずかし。

そうか。このハートウォーミングな体験がくせになって、シニアの男性はしょっちゅう病院に通い詰めてしまうのかも。

「月に1回、胃カメラ検査やってもらおうかな」なんて思ってしまったのでした。


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雑記病気

Posted by 鍵盤うさぎ