やはり応援歌は古風なままがよい〜クリスマスボウル2017
高校アメフット選手権の決勝戦へ
先週土曜は、川崎スタジアムへ、全国高等学校アメリカンフットボール選手権の決勝戦「クリスマスボウル」の観戦に出かけた。今年は、母校・関大一高(関西大学第一高等学校)が19年ぶりに決勝に進出。首都圏在住の同級生より招集がかかり、同窓会がてら出かけることに。
対戦相手は東京都の佼成学園、昨年の優勝校で強豪だ。試合結果は残念ながら敗北。体格、技術力ともに、佼成学園の方が一枚上手だった。
アメフットは私立大付属校のスポーツ
私はとりたてて愛校心が高いわけではない。だが、なかなか集合する時間が取りづらい中年会社員にとって、母校のスポーツ大会は同級生に会えるよい機会だ。首都圏で試合がある場合は、積極的に参加している。
関大といえば、今やフィギュアスケートで有名になってしまった。けれど、アメフットは私立大学付属高校の東西トーナメント戦のようなもので、私は本田真凛ちゃんより身近に感じる(ちなみに真凛ちゃんは関大一高ではなく、2010年開校の関大高等部の生徒。一方、関大一高は1913年開校、100年以上の歴史を持つ伝統校だ)。
なぜ、私立大付属校でアメリカンフットボールが盛んなのか? どうやら部活にかかる「お金」の問題が大きいようだ。アメフットは防具・装備だけでなく、試合・練習を行うための道具にとてもお金がかかるらしい。元アメフット部の同級生は「年間1億円近い予算となるため、親が入らないと、なかなか高校生だけでは運営できない」と言っていた。ボール一つで行えるサッカーの対極にありそうだ。
キラキラ応援に戸惑う中年同級生たち
私が在籍していた1980年代は、関大一高は男子校だった。その後、1995年から中学が、1998年から高校が男女共学となった。中高6年間の一貫校、大学進学は内部入試のため、中学受験以降は、まったく勉強せず、ピアノとボーイスカウト三昧。やんちゃな少年ではなかったが、男だけのはっちゃけた毎日を過ごしていた。
ところが、2007年、久しぶりに母校を訪れた際、校風は一変していた。男女共学になると、こんなにもスマートになるのか?と驚いた。かつては生徒だけでなく教員も全員男性だったので、女性教諭がいるのも不思議な感じだった。元担任がチアリーディング部の顧問になっていて、「キミらの先輩だ」と声をかけると、女子部員がいっぱい集まってきて、ドギマギした。
今回、スタンドでは女子チアリーディングがわんさかいた。私が高校生だった頃のバンカラな応援とはまったく違い、男子も女子もキラキラしていた。ハーフタイムには、首都圏のチアリーディング部の女子数百人による、華麗なアトラクションまであった。
このキラキラ感には同級生一同、大いに戸惑った。私は、何やら「喪失感」を味わった。ぶっちゃけ、男子校である佼成学園のスタンドの方がしっくりときた。
制服もグレーの学生服から紺のブレザーに変わった。お世話になった先生たちも、すでに多くが定年退職している。ただ一人、新卒で赴任した野木万也先生が校長として残っているくらいだ。
応援歌は時代、世代を超える
今ひとつ、ノリについて行けないキラキラ応援ではあったが、古風な応援歌はそのままだった。
一. 紅千里桃源の 理想が丘の空高く
紫紺の征旗輝ける 之ぞ我等が関西大学
カイザー関大 光あり二.若きを誇る丈夫が 真理の討究高らかに
求めて進む学術の 白亜の殿堂ぞ関西大学
カイザー関大 力あり
「丈夫(ますらお)」なんて言葉は現代にマッチしない歌詞。でも、応援歌が残っていてよかったと心底思った。時代、世代を超えて、一つの場を共有できる「軸」だ。
初めて応援歌の必要性を感じた、卒業32年目の冬だった。
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