行きたい! 展覧会『美術と音楽 音楽をめざす美術のこころみ』
今日、出かけようと思っていたけど、雨降りで挫折してしまった展覧会を紹介。群馬県立近代美術館の企画展『美術と音楽 音楽をめざす美術のこころみ』展です。
クラシック音楽好きな人は、たいてい美術展を見に行くのも好きな人ではないでしょうか? 難しい理屈はともかく、「美しいもの」は何でも追い求めたいですよね。
私の場合、特に近代の抽象画を見ていると、作品が視覚を通して身体に入ってくるわけですが、心の中でぼんやり浮かんだ「印象」「イメージ」が、時々、近現代音楽を聴く体験と同じになることがあります。インプットは視覚、聴覚の違いはあれど、身体の理解は同じような。抽象画や近現代音楽が好きな方なら、この感覚、理解いただける気がしますが。
例えば、ワシリー・カンディンスキーの絵画は、明確に西洋音楽を絵画で表現しようとする意図を感じるけれど、難波田龍起の作品など、まさに「響き」と同じイメージを絵画で表現したものじゃないでしょうか? スクリャービンの「白ミサ」を聴いたときの心象風景と、難波田龍起の作品「コンポジション」を前にした心象風景は、私の場合、方向性として近いものがあります(あくまで方向性としてね)。
「カンディンスキーの作品」Google 画像検索結果
「難波田龍起の作品」Google 画像検索結果
そんなわけで、「音楽をめざす美術のこころみ」と題したこの展覧会、かなり期待大なのです。
下は企画意図(公式サイトより)
美術と音楽、そして文学は古代より姉妹芸術と称されてきましたが、特にロマン主義以降、美術と音楽の領域は互いに近づいて刺戟を与え合います。本展では19世紀後半、西洋美術において画家が音楽は純粋で抽象的な構成をもつという点にあこがれ、美術も音楽のように抽象化を進めていったという動きに注目します。まず「一つの主題と二つの世界」で、美術と音楽が同じテーマを表現している作品の例、たとえばシャガールが版画に描き、ラヴェルが楽曲を作った「ダフニスとクロエ」など共通の主題をもつ美術作品と音楽作品を比較します。続いて「音楽のある情景」では楽奏を描いた絵画からそこに響く音へと思いを馳せます。さらに、二つの世界の相互へのまなざしを追い、「音楽から美術へ」として、楽曲から構想を得た絵画や音楽の抽象性を規範とした、カンディンスキーやクレーに代表される色や形による抽象的な絵画、また時を同じくして日本の画家たちが試みた音楽に触発されて生み出した多彩な美術作品もご紹介します。そして戦後の展開からはモダン・タイポフラフィが花ひらいた音楽会のポスターなどから戦後の新しい音楽をめざす「音楽への誘い」をご覧頂きます。
さらに20世紀の半ばに登場したイメージを楽譜として読む図形楽譜が登場します。このような二つの領域の越境は、「音の像・かたちの響き」として紹介する、現代美術の作家たちの音や音楽をとりこむ新しい試みへとつながっています。
これらの美術作品と、関連する音楽を併せてお聴きいただきながら、美術と音楽の出会い・共鳴・対照をお楽しみ下さい。
群馬県立近代美術館
『美術と音楽 音楽をめざす美術のこころみ』
会期/2016年9月17日(土)〜11月13日(日)
開館時間/午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日/月曜日(9月19日、10月10日を除く)と9月20日、10月11日
会場/群馬県立近代美術館
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