深町研太氏の工房でフォルテピアノの練習会参加
11月3日、文化の日、古楽器製作者・深町研太氏の工房でフォルテピアノの練習会に参加した。昨年末、チェンバロの練習会で訪問して以来だ。
深町研太氏の工房で古楽器の魅力に触れた(2013/12/30)
来年3月末に参加予定の古楽器による合同演奏会、「“around1750”~バロックから古典派へ続く轍~」への準備練習が目的。私は、フォルテピアノでモーツァルトの「アダージョ ロ短調 K.540」、チェンバロでジャック・デュフリのクラヴサン曲集第4巻より「ラ・ポトゥワン」を演奏予定。今回は当日、本番で使用するブロードウッド1802年モデルのフォルテピアノ(FF-c4 68鍵)を使って、30分ほど練習させていただいた。
実は、昨年末訪問した際、チェンバロよりもフォルテピアノにはまってしまった。昨年のブログにこんなことを書いていた。
古楽器に数時間触れ、製作工程をつぶさに聞いて、帰省の新幹線の中で気づいたこと。それは「モダンピアノは重工業製品」ということ。
ピアノは弦を支える製鋼技術と共に進化した楽器で、チェンバロやフォルテピアノが大工の手作りによる木造家屋としたら、モダンピアノは鉄筋コンクリート住宅なのだろう。だからモダン(近代)なのだ。とすると、ヤマハや河合楽器のアップライトピアノは、ツーバイフォー建築による量産住宅なのかも。
リストの超絶技巧練習曲は、製鋼技術、テクノロジーの進化抜きでは生まれなかったに違いない。19世紀のヨーロッパで製鉄が盛んだった地域と楽器メーカーの工場は何か関連があるんだろうか‥‥なんてことは男性特有の思考なんだろうな。
ハイドン、モーツァルトの古典派ソナタは、機会があればフォルテピアノでじっくり練習してみたいと思った。
というわけで、今回はフォルテピアノにしぼってじっくり練習させてもらった。
30分間練習しての感想だが、モダンピアノに比べるとキーのタッチがはるかに軽い。なので、指先をかなりコントロールできないと、弱音を出すことが難しい。特に、右手がメロディ、左手のアルベルティバスや重音の連打による伴奏の場合、指腹で触れるようなタッチでありながら、ちゃんとした打鍵をしないと音のヌケモレをしてしまう可能性大。
あと、ペダルが木製なので、力を入れた踏み込みは絶対に行えない。常にペダルに足を乗せながら微妙なコントロールが必要になる。
それから、左ペダルのウナコルダは一弦のみになる。モダンピアノのウナコルダに比べると響きの変化がとても大きく感じた。
しかし、モダン楽器に比べると、木の家のような温かみを持つ響きが心地よい。本番まで、あと一回は練習しておきたい。
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