感想/映画『愛と誠』、昭和歌謡のパワー炸裂!
2012年18本目の映画は、『ガール』を観に行こうか、『愛と誠』を観に行こうか、迷いに迷って『愛と誠』へ。これが大正解だった。
『愛と誠』について語るには、1974年、まで遡らなければならない。当時、私は小学校一年。クラスメートにおませな男子がいて、彼はある日、兄貴と映画『愛と誠』を観に行ったことを、クラスで一番人気の女子に語っていた。女子は西城秀樹のファンだったので、前のめりで聞いていた。
私はちょっと羨ましく思いながら、彼の自慢話を聞いていた。そうこうするうちに、テレビドラマが始まったのだが、不良高校生の暴力ドラマで、とても子どもが見る代物ではなかった。
ただ、主人公・太賀誠と、ヒロイン早乙女愛を一途に慕う優等生・岩清水弘の決闘シーンは、鮮烈に覚えている。校庭に立てたナイフに向かって、二人が後ろ向きに歩いていき、ここぞ!と思ったところで、地面に上向きに倒れるというものだ。今では、きっと放送できないだろう。息を飲むスリリングなシーンだった。
そのシーンの前に岩清水弘が、ヒロインにこうつぶやくのだ。
「早乙女クン、僕はキミのためなら死ねる!」
1970年代の恋人同士は、こんな台詞が冗談じゃなしに真顔で語られていたのかも。
さて、『忍たま乱太郎』『ヤッターマン』の三池崇史監督が、リメイクした今回の『愛と誠』は、昭和歌謡曲の名曲の数々を、インド映画風に演出した快作。映画の口コミサイトでは、評価が二分しているが、私は予定調和を崩したぶっちぎり感が爽快だった。
こういう映画があってもいい。いや、映画こそ、こういう突き抜けた娯楽作品をどんどん作っていってほしいと思った。
改めて昭和歌謡の圧倒的なパワーを思い知る、下の動画をぜひ。
妻夫木聡、西城秀樹「激しい恋」による格闘シーン
武井咲による「あの素晴らしい愛をもう一度」
そして、岩清水弘「キミのためなら死ねる!」
三池崇史監督、最高デス。
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