映画『サヨナライツカ』、石田ゆり子が圧倒的な件

TSUTAYAで、たまたま手に取ったDVD『サヨナライツカ』。4月1日、年度初めの前日の夜に見た。その夜、眠れなくなった。

ストーリーは陳腐。1975年、結婚を前にした航空会社のエリートサラリーマンが駐在先のバンコクで自由奔放な女性と出会い、数週間の逢瀬の後、結局、貞淑な婚約者を選ぶ。そして25年後、再びバンコクで女性と再会し、別れる。ぶっちゃけそれだけ。

映画公開時は中山美穂の大胆なセックスシーンが話題になったが、実際に見てみると大して過激ではなかった。インパクトという点では、『愛の流刑地』の寺島しのぶの方が、見てはいけないものを見てしまったような衝撃があった。

監督は『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン。なので、この作品は韓国映画といえる。日本の監督ならこうは描かないだろう、オープンカー疾走のラストシーンは、見ていてちょっと照れた。

下のYahoo!映画のレビュー、辛らつだけど順当だと思います。

ただタイトルだけが良い。(5点満点中1点)

さて、なぜ、眠れなくなったのでしょう?

実は、石田ゆり子にハマッてしまったのです! 私にとって、ストーリーの陳腐さと演出の過剰さを補ったのは、石田ゆり子の存在でした。

彼女の演じた「光子」とはこんな役柄(公式サイトより)

バンコクにいる婚約者との一日一回だけの電話を楽しみに、愛しているという言葉を忍耐強く待ち続けている。電話で話す時も、手で口を隠しながら笑う。しとやかで美しい完璧な淑女。そんな光子は、落ち着いた表情と優しい言葉づかいの裏に、最後まで自分の愛を貫く強い力を持った女性である。

白いブラウスと花柄フレアスカート、白ソックス、いいっ!

バンコクの婚約者に電話。古風なアップライトピアノがお似合い。

ま、昭和生まれの40代男子のハートを鷲づかみにするキャラクターなわけです。

ところがこの役柄、どうも女性の評判がよくない。映画レビューを見ると、同性から金麦妻並みのバッシングを受けてます。なんでやねん?

例えば、それはこんなところ。婚約者の浮気を知り、バンコクにまで出かけ、中山美穂演じる「沓子」に別れを迫るシーンは、この作品一番の見どころ。女性にとっての悪役を見事に演じています。

で、主人公の男性「豊」が、空港で沓子と別れるシーン。絶妙のタイミングで光子が登場! 「どうして泣いているの?」なんて尋ねるんだけど、実は柱の影で豊かと沓子とのやりとりを見てたのでは。

いやはや、私、石田ゆり子演じる光子の「圧倒的な圧勝ぶり」に圧倒されました。

ところでふと思ったのですが、沓子、光子、二人の役柄を、中山美穂と石田ゆり子がチェンジして演じていたら? それはそれで、面白い映画になったのでは。


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