1/30 「真冬の音楽会」レポート(後編)
それでは、1月30日(日)、代々木上原のムジカーザで行った「真冬の音楽会」のレポート後編です。※前編からお読みください。
今回は四人のジョイントリサイタル。プログラムは下の通りで、私がトップバッター。
■ 竹本義就(鍵盤うさぎ)
クープラン/クラヴサン曲集 第13組曲より「ゆりの花ひらく」
J.S.バッハ/トッカータ ホ短調 BWV914
モーツァルト/ピアノソナタ ト長調 K.V.283 第1・2楽章
ショパン/三つの新練習曲より 第1番 ヘ短調
■ 本窪田なつき(もなつさん)
シューベルト=リスト/菩提樹(「冬の旅」より)
シューベルト/ピアノソナタ ハ短調 D958
■ 林口良栄(よしえさん)
ヴィラ=ロボス/ブラジル風バッハ 第4番~前奏曲、コラール、アリア、踊り
■ 加計綾子(ちゃむさん)
ラヴェル/クープランの墓~前奏曲、フーガ、フォルラーヌ、リゴドン、メヌエット、トッカータ
軽いアナウンスの後、ピアノの前へ。椅子に座ると、客席がとっても近く、視界にお客様が目に入るのが気になると言っちゃ、気になる。まずはクープランを演奏。リハーサルのときよりも、音が回らないような気がした。たぶん、満席の人がいるのといないのとでは、響き方が違うんだろうな。クープラン、ちょっと安全運転だったろうか‥‥。
続いてバッハのトッカータ。アンダンテで一か所、フーガで二か所ほど、欠けてしまったけど、これまで何度かステージで弾いた中では、一番安定感があったかな。リハーサルでは、ほぼほぼ完全に弾けていたのに、やっぱり本番は緊張して指が転がってしまうものだ。
モーツァルト、第一楽章はちょっと走ってしまった。本番は若干アップテンポになる癖がある。次回からはローテンポを意識するようにしよう。第二楽章はほぼ満足できる仕上がりだった。
ここでMC。今日は午前中、発表会に出演した少年少女がいたので、「大人になってから、子どものときに習った曲を弾くのって楽しいよ」とかお話をした。それから、「せっかくいいピアノなんで、プログラムにないけどショパンを弾きたくなりました」と。
三つの新練習曲 第1番、この曲はずいぶんと弾きこんでいるので、力が抜けていいバランスだったかな。先々週に聴いたエレーヌ・グリモーのリサイタルのアンコールのイメージが色濃く残っていた。
という感じで、約20分間の私のプログラムは終了。
自分の演奏の後は、客席に座って残り三人の演奏をじっくり聴いた。
もなつさんのシューベルトは、ハマッているというか、似合っているというか。歌心あふれるシューベルト。でも、個人的には12月の発表会で聴いた破滅的なメトネルが意外性があってよかったな。
よしえさんのヴィラ=ロボス、コンクリート打ちっぱなしのホールに荘厳に響いた。ローテンポのアリアが、ずっしり重い低音が効いていて聞き応えあった。
ちゃむさんのラヴェル。この長大な曲をよく仕上げたものだ。さすがはピアノの先生だ。メヌエットが小粋なセンスでお気に入り。
と、最初に弾き終えて、その後は心置きなくみんなの演奏を堪能させていただいた。ジョイントライブは先頭バッターに限る。
ただ、出演者のピアノ仲間には楽しいプログラムだけど、ぶっちゃけ発表会帰りのご父兄には、ちょっと重たかった気がする。やっぱり、お父さん、お母さんは、幻想即興曲とか華麗なる大円舞曲とかを聴きたいんじゃないかな、と。今回は「出演者が弾きたい曲を弾く」というのがコンセプト。でも、約2時間を、いろんなお客様に楽しんでもらうためには、次回、大曲と小曲、もう少しバランスを考えてもいいか、と思った。
また、一人ひとりが演奏して、ちゃむさんの演奏でブチっと終わってしまったけど、ラストみんなで手をつないで挨拶とかやった方がよかったな、とか、せっかく女性三人はドレスを着ておられたから、全員で記念写真撮るべきだったな、とか‥‥。終了後、代々木上原駅前のカフェレストランでお食事しながら、四人でいろいろ反省点を語り合った。
で、ちゃむさんの提案で、次回はちゃむさんのピアノ教室の発表会後にまたやろう!と決意。このシリーズ、もっとブラッシュアップさせたいです。