国際アマチュアピアノコンクール2010本選へ
昨日7月25日、国際アマチュアピアノコンクール2010の本選が、紀尾井ホールで開かれました。私は二次予選で落っこちてしまいましたが、アマコンの「朝練仲間」や、二次で一緒にステージに立ち、知り合いになった人が本選に出場するので、楽しみに出かけてきました。
朝のうち、家事でバタバタしていて、紀尾井ホールに着いたのは正午少し前。B部門の演奏が終わる間際でした。ロビーに「朝練仲間」がいたので、まずは一緒に軽くランチ。
今日も「鍵盤うさぎさんですか?」と早速お声がかかりました。どうしてご存知なのかお聞きしたら、インターネットでキーワードを検索して、このブログを知ったのとのこと。確かに、Googleで「国際アマコン」を検索すると、「鍵盤うさぎのピアノ練習ブログ : 国際アマコン一次予選の結果」って記事が、一番上に表示されます。なるほど、それで声がかかるのか……。
さてさて、今日はA部門のコンテスタント10人の演奏をすべて聴きました。ま、一次、二次を通過した人たちなので、技術的にも音楽的深さにおいても、私とグレードが違うなという印象。演奏した人全員、響きが一人ひとり、明確に違っていました。これが、B部門の一次予選だと、楽曲は違っても同じような響きの人が続いたりした印象があります。
今回、ショパンのピアノソナタ第2番を、二人のコンテンスタントが演奏されました。例えば、第一楽章。うーん、表現は難しいのですが、同じオープンカーでも、マツダのロードスターと日産のフェアレディZの走りの違いってあるじゃないですか。ハイウェイのカーブを曲がるにしても、ククっとした小回りの効いた走りが心地よいのか、グインと全身に重力がかかる走りが気持ちいいのか、もはや好みの問題ですけど。
本選のコンテスタントの演奏は、「ククっと」なのか「グイン」なのか、明確に響きの違いを感じました。
入賞者の皆様、おめでとうございます!
審査結果とは別に、私が「お!」と思ったコンテスタント三人をご紹介。私判断による「優劣」ではないです。あくまで印象に残った演奏三つです。
まず、A-4 栗本康夫さんのラフマニノフのピアノソナタ第二番。
抜群の安定感。私が、一番欲しいのが安定感と安心感。栗本さん、すごく腕が柔軟で、のびやかにすくいあげるような打鍵。がっちりとした基本テクニックが、安定感ある演奏を生むんだろうな。ステージに立つ姿も板についているな、と思いました。私など、ステージに立っても、いろいろ物珍しくキョロキョロ見回してしているんだろうな。
次に、A-25 中村香織さんのクープランの小曲集。
ミクシィでは、毎日、いろいろと突っ込みあっている「朝練仲間」であります。選曲がいい! 豪華なランが並ぶ花壇に咲いた、一輪のコスモスって感じ。最近、ホールでパワーで押しまくる人よりも、響きのあるピアニシモを出せる人の方が共感できるんです。小曲をいくつか並ぶのも、短い詩の朗読のようで引きこまれました。
で、A-31 関根明子さんのモンポウ「内なる印象」。
この曲、初めて聴きました。水彩による抽象画って感じ。こちらも、ホールに浮遊するようなピアニシモが素敵だった。音の凪とでも言うのだろうか。世界観が演奏者のキャラクターにバッチリ合ってました。あと、演奏前後、笑顔で登場する姿がなかなか素敵でした。
では、私が出合った今回の国際アマコンのベスト賞を発表! それはですね‥‥。
二次予選時、あるコンテスタントの方(女性)が、ご主人と来ておられました。で、本番前のリハーサル練習の直前、カフェのテーブルに二人座って、奥さんは楽譜を見ながら最後のチェックをされていてました。そんな奥さんを温かく見守るご主人。で、奥さんが、さぁ、練習室へ!って立ち上がったとき、夫婦でそっと握手をされたのですよ。
キャー!!! うさぎ、逆毛になりました。
いいなー。本当にうらやましかった。
さてさて、自分の演奏がないコンクールというのはとても気楽なものですね。昨夜は紀尾井ホールの天上のシャンデリアを見ながら演奏を聴いたり、目をつぶって耳をすませたり、リラックスしてコンクールを楽しませていただきました。
ただ、とても暑かったので、年甲斐もなく一昔前のPOPEYE少年のようなファッションで出かけてしまったのですが、こちらは紀尾井ホールには合ってなかったな。