日に日にブルーが募る‥‥
私は、子供の頃から、児童会副会長やら生徒会長やら社員会長やらを、進んでやっていたキャラです(押しが強いので、ぜひ労働組合委員長に!と担がれそうになったこともあります)。なので、500人くらいを前にしても、あまり緊張せずに話ができます。ホテルの宴会場で、販売代理店の方々が多数集まる中、自社サービスのプレゼンテーションをしたりするのも苦にはなりません。
で、なぜあまり緊張しないんだろう? と、考えたのですが、話題や商品の内容について、それなりに自信があるからかな、と思いました。別に私はプレゼンや話術に長けているわけではないです。ただ、話のネタに自信があるから、多少、言葉に詰まったり、言い間違ったりしても、あまり気にならないんでしょう。
ところが、ピアノの演奏となると、からっきしダメ。他の人からは「落ち着いて演奏されますね」と、よく言われますが、演奏中、小さなミスをきっかけに大崩壊につながることが幾度となくありました。これは、結局、自分の演奏内容に自信がないから、平常心を失ってしまうのかも。
自社商品のプレゼンテーションなら、「商品のウリがちゃんと伝わったか」が大切であって、プレゼン資料のビジュアルの美しさや話術なんて手段にすぎません。ピアノの演奏だって、本当は「伝えたい楽曲の内実」が重要であって、テクニックは“伝達の手段”にすぎないはず。でも、「伝えたい楽曲の内実」に自信がないから、ミスのない演奏という“伝達の手段”に捉われてしまうのでしょうか。
うーむ、でも、“楽曲の内実”は高度なテクニック抜きで表現できないし……ここは正直なところ、わからないんです。
いずれにせよ、今回、5月1日の紀尾井ホールの演奏会は、プレッシャーの度合いが半端じゃないです。
まず、お金を出して聴いていただく演奏会であること。これは初めての体験。アマチュアコンクールは自分がお金を出して演奏するわけだから、ぶっちゃけ言えば自己満足です。経営学的には、私がカスタマーです。でも、今回は聴衆がカスタマー‥‥。
私は、長らくコンシューマービジネスをやっていますので、チケット代「3000円の市場価値」は全出演者の中で一番よくわかっているつもり。3000円の対価を、わざわざ来ていただいたカスタマーにお渡しできるのか? ここが最大のプレッシャー。
もう一つは、やはり師匠の周年イベントということで、「顔に泥を塗らないようにしなきゃ」というえらいプレッシャーがあります。これもキツイ! 来場者の多くは、“ピアノ指導者業界”の関係者。今回の演奏会は、私の演奏の発表の場ではなく、本質は「師匠の指導力の発表の場」ですから‥‥。
というわけで、日に日に気分がブルーになっていく今日この頃です。