スケールとアルペジオ練習は必要ない!?
仕事を終えて、フィンガートレーニングへ。
今日は、ずっと素朴に疑問に思っていたを先生にたずねてみた。
「先生、スケールとアルペジオ練習って意味あるのでしょうか?」
私は、三年前にピアノを再開して以来、楽曲練習に入る前、ハノンのスケールとアルペジオをメニューに入れている。中学生、高校生の頃の習慣で、何となく基本動作としてやった方がいいと思っている。体育の時間の前のラジオ体操第一みたいなものかな。
ただ、仕事で一番よくないのは、作業の意味を考えずに前任者のやり方を、長年、漫然と踏襲し続けること。素朴な疑問が、実は問題の核心だったりすることはままある。
「スケールとアルペジオねぇ。何のためにしてるの?」
「いや、昔やっていたから、当然やるものだと思ってたのですが」
「例えば、調のイメージをつかむためなら、練習の意味はある。ただ、音大の入学試験の課題にはなっているけど、私は必要ないと思う」
なんと! スケールとアルペジオ練習が必要ないとは!
「指や手をほぐすのが目的なら、こういう練習もあるわよ」
と、指をくぐらせる練習のオリジナルの手書き楽譜をいただいた。
指のくぐらせのみをクローズアップした、短いメトードだ。まず右手だけ、次に左手だけ、そして両手、メトロノームに合わせて正確に弾く。右手と両手は対称的な動きなのだけど、メトロノームのテンポを上げると、両手がパラレルに動いてしまいそうになる。
こういう練習は、男性の生徒は燃えるようだ。もちろん私も燃える。確かに、こちらの方が短い時間で効果があがりそう。
その後、もう一つ、質問。左手の中指が手を広げたときに、ピンと伸びてしまうクセについて。こちらもずっと気になっていた。ビデオで手元をアップにして撮影すると、どうも中指が不自然なのだ。
これは、左手の小指が外側に開いた際、支えが効かないため、必然的に手のひら全体に力が入ってしまうのが原因らしい。小指の付け根の外側の筋力を鍛えることで、解決できると。右手に関しては、一年前に比べると、小指の支えが効いてきたのか、軽くオクターブも連打できるようになった。右手小指の支えにより、他の指が脱力できるのだろう。
数年前、「ツェルニーは必要ない」と言われたときも衝撃だったけど、ハノンのスケール&アルペジオも絶対に必要なわけじゃないとは! でも、スケールとアルペジオやらないと、何だか物足りない気がするけど……。
私が中学、高校生だった1980年代の練習法は、20世紀の練習方法なのだろう。何も考えずに漫然と練習を続けるのはダメだと思った。