システム開発とレパートリー作りの共通点
私の前は子牛先輩(牛田智大クン)がレッスン中。曲は、サン・サーンスのアレグロアパッショナート。子牛先輩は、レッスンが私の前の順番が多いが、毎回、違った曲を弾いている。いったい、何曲、並列でこなしているのだろうか? 大人になる頃には、とてつもない数のレパートリーを持ってそうだ。
仕事を持っている私は、門下の皆さんの配慮で、ホールレッスンはいつも最後の順番にしてもらっている。その代わり、ホールの後片付けは私の方でやるようにしている。
1月以降、練習時間が取れなくて、何だか毎回、レッスンが同じ課題で立ち止まってしまっている。正直、もったいない。一度、指摘された課題は、次までにクリアにしておきたいのだが、仕事でバタバタしているうちに中途半端な解決になってしまうのだ。
バッハのトッカータ ホ短調。序奏の拍のとり方、メロディーのバランス、右手から左手の移し。技術的にはまったく難しくない箇所なのだけど、毎回ストップをかけられる。ま、この曲は、序奏のエネルギーで決まるのではあるが。
あと、フーガも指がもつれて甘い箇所が数ヶ所ある。
仕事のシステム開発もピアノのレパートリー作りも、仕上げの10%に全工程の90%の労力がかかるものだ。バグつぶしと検収作業が、実は一番大変だよな、と痛感。
著者/金子勝子 発行/ショパン社
自分の先生に、なかなか訊くことができない素朴な疑問や悩みに、師匠・金子勝子先生がズバリ本音で答えています。例えば、「二人の先生につきたいが、今ならっている先生に言い出せないのですが‥‥」「自分の先生のリサイタルのとき、楽屋に行ってもいいものでしょうか‥‥」「音大に社会人入学で自信が持てない‥‥」。ぜひ!