ちょっと重い「イス取りゲーム」の話
昨年末に会社の社長が病気になり、療養のため休みに入った。一か月を過ぎたけど復帰が難しい状態。私は二番手役員なので、年明けから社長代行をやっている。ワンポイントリリーフのつもりだった。でも、何となく予想はしていたけど、当面復帰が難しそうなので、親会社には早急に次の社長の人選を依頼している。
私が社長をやるのも選択肢としてあるが、親会社の担当執行役員には固辞している。理由の一つは、私は「参謀」タイプで「司令官」タイプではないこと。業績不振下では、企画系の人間よりも営業系の人間の方がトップに必要だと思うから。
あと、私には「ビッグになりたい!」という野心や野望が欠けている。世の中には社長を目指して頑張っている奴がいる。社長は「ビッグなオレ!」が大好きなハ長調、あるいはニ長調、イ長調あたりの男がやった方がいい。私のような人間は、どこかで「適度に利益を出したら、ほどほどでいいか」という“逃げ”と“守り”が、心の奥底で働いてしまうから。
もう一つはピアノのこと。
昨年春までに比べると、子会社の常勤役員になって、明らかに練習時間が取れなくなった。年明けから社長代行をやるようになって、土曜、必ず仕事をしているし、平日、家に帰っても気持ちの切り替えができず、ピアノにまったく向かえない。深夜0時前に家に帰って、ご飯を食べてお風呂に入れば深夜1時。メールチェックをしてちょこっとブログを更新したら深夜2時。「そろそろ寝なきゃ」と思って布団に入る毎日。あっという間に一年が過ぎてしまいそう。
「男性の40代ってそんなものだよ」と言ってしまえばそれまでだけど。
いま、どこの会社も「戦えない奴」を雇用しておける余裕はない。特にミドルエイジは、ある意味、イス取りゲームだなと思う。イス取りゲームは、最後まで勝ち抜くぞ!という戦う姿勢を持っている人間しか勝ち残れない。ここが「ババ抜き」との違い。
新卒の頃、30人で29席から始めたイス取りゲーム、20年経って10人で9席を取り合っているような気分になる。
50代になった自分がイス取りゲームを続けているんだろうか? うーむ、想像できないな。