ふり向くな、君は美しい!
それでも、目の前で若女子が、おいしそうに肉をしゃぶしゃぶしている姿を見るのは、幸せな気分になるものだ。しゃぶしゃぶする若女子は本当に美しい‥‥。
というわけで、今日は終電帰りで練習できなかった。自分への言い訳である。
全国高校サッカー選手権は、母校・関大一高を準決勝で破った青森山田が、初出場の山梨学院に決勝で負けてしまった。勝ち負けというのは、本当に紙一重にある、と改めて思った。
そういえば、ハーフタイム、国立競技場のスタンドのスピーカーからは、全国高校サッカー選手権のテーマ曲「ふり向くな、君は美しい」が流れていた。阿久悠作詞、三木たかし作曲、いわば1970年代、歌謡曲の黄金時代をリードした二人のクリエーターによる青春賛歌である。私は、国立競技場に赴くまで、2010年代のいま、この歌をテレビやラジオで聴くと、何ともいえない気恥ずかしい気分をぬぐえなかった。
それが、準決勝の第一試合、山梨学院と矢板中央の試合終了後、グラウンドに崩れる矢板イレブンを見たとき、この歌がいまなお競技場で流れる意味が、何となく理解できた。
この曲は、徹頭徹尾、敗者を讃える歌なのだ。高校野球の「栄冠は君に輝く」の対極の世界観を、阿久悠氏は投げかけている。かつて、阿久悠氏が存命の頃、確か「最近の若い作曲家の歌は、自分の歌はわかっている人だけが聴いてくれればいい、というのが多い。でも、自分は違う。すべての日本人の心を動かす歌を作りたいのだ」なんてお話をされていた。
確かに、ゲーム終了のホイッスルが鳴った後に「ふり向くな、君は美しい」を聴いて、心を動かさない日本人はいないと思った。
そういえば、ショパン国際コンクール in ASIAも、アジア大会の結果が順次発表されている。私のようなアマチュアではなく、音楽を一生の糧にしようとしている大学生、高校性諸君! 結果はつらいものかもしれない。だが、おじさんはこう言おう。
ふり向くな、君は美しい!
そして、しゃぶしゃぶする若女子は美しい!