結婚について with チューリップ『青春の影』

2014年5月26日

 
私も妻も西日本の生まれなので、毎年お盆と正月は、帰省のため高速道路を往復1000km以上クルマで走る。10年間で20往復もすれば、東名高速のサービスエリアや渋滞ポイントなどは何となく覚えてしまった。30歳で転職し、初めて東京へ住居探しに出かけた頃よりも、ずいぶんと行程は短く、楽に感じるようになった。

東京に出たのは12年前。前の寅年だ。12年前は、お気に入りの小さなローバーミニに乗っていたのだけど、子供が増えたので、しぶしぶ日産プリメーラワゴンに買い替えた。今は、7人収容可能な日産のミニバン、リバティに乗っている。

さて。

行きの新幹線の記事で書いたように、10代の頃、東京に向かう際は、青春18きっぷを使用の各駅停車だった。大学生になって、結婚する前の妻(東京の大学に通っていた)に会いに行くのも、お金がないから青春18きっぷだった。リュックの中の荷物は、下着とウォークマンとポケット時刻表くらい。ホント身軽な大阪~東京間の移動だった。

昨日は夜9時すぎに大阪の実家を出て、朝7時前に用賀のインターチェンジに到着するまで、トイレ休憩以外、妻も子供もクルマの中でほとんど寝ていた。

サービスエリアで休憩の際、7人乗りのミニバンの中を見渡すと、後ろでは子供がメザシのように寝転んでいる。その周りに、妻の田舎でもらったお米や、お正月に作ったガンダムのプラモデルやら、ノートパソコンと楽譜が入ったキャリーバックやら、荷物がぎっしり。「これが20年間かけて手に入れたモノなのか」とも思うし、運転席の下まで荷物を詰め込み、ギューギューで身動きできない車内を見ると、現在の自分の状況そのものだな、と、ちょっと寂しい気分になったりした。

東京までの行程、随所渋滞していることはわかっていたので、新名神の土山サービスエリアにて、睡魔退治のため、CDを物色をした。チューリップにしようか、杏里にしようか、迷ったのだけど、「虹とスニーカーの頃」を聴きたくなったので、チューリップのベスト版を購入。

で、一曲目が名曲「青春の影」。

中学生の頃、初めてこの曲を聴いたとき、別れの曲と理解していたのだけど、実は「結婚10周年記念」の曲じゃないか、と今になって思う。本当に含蓄あるな、と思うのが歌詞の下の箇所。

愛を知ったために涙がはこばれて
君のひとみをこぼれた時
恋のよろこびは愛のきびしさへの
かけはしにすぎないと

こんな風に翻訳できるかな。

結婚したために涙がはこばれて
君のひとみをこぼれた時
結婚したときのよろこびは結婚後のきびしさへの
かけはしにすぎないと

「ミニバンに家族と荷物をギューギュー詰めに詰め込んで、一人、夜の東名高速を疾走する」、これが私にとって結婚の実像。この感覚、中年男性ならわかってもらえますよね?

それでもね‥‥。

下の素晴らしいコマーシャルフィルム、そんな私の解釈にとっても近いです。BGM『青春の影』が流れてくると、あぁ涙腺が‥‥。泣けるのだ! マジ。


Tulip おいしい曲すべて 1972-2006 Young Days
演奏/チューリップ
ビクターエンタテインメント

「青春の影」のほか「魔法の黄色い靴」「心の旅」「サボテンの花」等、チューリップ初期の名曲を収録。


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