妄想族のピアノ練習法 on 通勤電車
体はクタクタ、心はポキポキではありますが、実は、ちょこっとだけ練習はしています。夜中にクラビノーバを一時間以上弾くと、翌日の仕事に差し支えそうなので、実際に鍵盤で弾くのは師匠考案のメトードだけにしています。
じゃ、楽曲はどのように練習をするのか?
それは、通勤電車の中で妄想する のです!
私は、友人から妄想族として知られています。先日も、友人に「マンションに住んでいてさ、もし自分の奥さんが原田知世で、右隣の奥さんが石田ゆり子でさ、ベランダに出たとき、石田ゆり子と目が合ったらどうしよう?」という悩みを打ち明けて、唖然とされました。私のリアルな妄想力は、昔から定評があります。
そんな私が、編み出した妄想的練習法がこれ。
一つ!
通勤電車は始発駅で乗って必ずシートに座るようにします。途中駅から始発列車がある場合は、途中下車してシートを確保します。できれば、連結に近い一番端のシートが理想です。メトロノームが置けるからです(後で説明)。なので、余裕を持って自宅を出るようにします。
二つ!
次に、シートに座って楽譜を開かずにひざの上に置いておきます。楽曲のコード進行はまるまる暗記しておきます。暗譜というより、暗記に近いです。
で、目をつぶって、コード進行にそってハーモニーを頭の中(正確にいうと胸のあたり)で鳴らしていきます。何ていうか、ハーモニーが空気の塊になって、胸の中で、コードごとにぽんやりと形を変えていくような感じです。その空気の塊(ハーモニー)に、メロディーを乗せていきます。声を出して歌うと、へんなオジサンに思われるので、ノドの奥の方で小さく歌うようにしています。「ハーモニーの記憶」が途切れたら、楽譜を見てコード進行を確認するようにします。
三つ!
これだけだと、リズムが主観的になるので、イヤホン付きのメトロノームの力を借りることになります。下は車両連結部分の窓際に置いたメトロノーム。
要は、メトロノームのテンポを耳で聴きながら、胸のあたりでハーモニーを鳴らして、ノドの奥でメロディーを歌うようなイメージで、音楽を妄想するのです。
これが、実際にピアノを弾くよりも、結構疲れるのですよ。二回ほど、体の中で響かせると集中力がなくなり、ヘロヘロになります。ま、二曲を二回ほど弾けば、会社の最寄り駅に着いてしまいますが。
ただ、この方法には弱点があって、メロディー&和声系の楽曲には有効ですが、バッハのフーガには不向きなのです。たぶん、メロディー&和声系の楽曲は、リズム、ハーモニー、メロディーを、体の中で「縦に重ねる」ことができる気がするのですが、対位法系の曲は、体の中で「声部を横に並べる」必要があるのかな、と思ったりしています。
ご興味ある方、ぜひ、試してみてください。