中村紘子『ピアニストという蛮族がいる』古本ゲット

2014年5月26日

中村紘子『ピアニストという蛮族がいる』お昼休みに、会社の近くの古本屋を通り過ぎたら、中村紘子氏の単行本『ピアニストという蛮族がいる』が100円で売られてました。この本、以前から欲しかったのです。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く現代』は文庫本になっているけど、この本は絶版になって手に入らない。神田までわざわざ探しにいくほどでもないし、アマゾンのマーケットプレイスで送料支払って取り寄せるのもな‥‥と、ずっと思ってました。ラッキーな昼休み。

ところで、中村紘子氏の演奏って、皆さん、お好きでしょうか? 日本を代表する大御所ピアニストなので、批評が許されない雰囲気がありますが、1リスナーの好き嫌いでいうと、私、どうも好きになれないのです。柔らかく言うと「気高く、ツンツンした雰囲気」。硬い表現だと、「聴く側がフラッと音楽に入り込めない“怜悧”さ」。ま、好みの問題だとは思いますが‥‥。

ただし、中村紘子氏の文章は、とても面白くて好きです。歯に衣着せぬ、辛らつな文章は、読んでいてドキドキします。「わ、言っちゃったよー」って感じ。私はピアニストよりも、批評家として、日本のクラシック音楽の第一人者じゃないかな、と思うのです。

ちなみに、私の弟は以前、中村紘子氏について、一言このように表現してました。

「あ、カレーのピアノの人や!」


中村紘子『ピアニストという蛮族がいる』ピアニストという蛮族がいる(中公文庫)
著/中村紘子
発行/中央公論新社

音楽に魅入られたピアニストたちの、すべてが極端で、どこかおかしく、しかもやたらと大真面目な世界。ホロヴィッツ、ラフマニノフら巨匠たちの奇行、伝説、そして本邦ピアニストの草分け、幸田延と久野久の悲劇が、不思議な感動を呼ぶ。文藝春秋読者賞受賞作(Amazonより)。


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