珍しく休日に師匠のレッスンを
奥歯の故障で、レッスンを火曜から土曜に延期いただいた。まず、昼2時に渋谷のヤマハに行って、スタジオで準備練習をする。
ショパンの新エチュードは時間がないので、バッハのトッカータとラフマニノフのエレジーに絞る。バッハはまずまず。フーガのテンポ、ちょっと遅めじゃないとついていけない。これは、仕方がない。エレジーがグランドピアノの響きを生かして、メロディーを太く鳴らせないとダメなのだが、いつもながらまったく鳴らず、イライラしてしまう。結局、一時間半のうち、一時間近くをエレジーの主題提示部だけに費やしてしまった。
夕方4時45分に先生宅へ。15分ほど早めに着いてしまった。私の前は、先日のコンペでも優秀な成績を修めた少年がレッスン中。スカルラッティのソナタ、「うさぎさんに聞かせてあげて」と先生。小学生なのに、しっかりと音が入っている。目をつぶって聴くと、響きが歴然とした。将来が楽しみだな。
5時ちょうどにレッスンスタート。バッハのトッカータ、序奏、アレグロ、アダージオ、フーガの四部をまずは一通り演奏。その後、序奏部分から細かく指導をいただく。
アレグロは、アーティキュレーションの統一。特に中声部にポイントとなるフレーズが表れた際、どうしても響きが弱くなる。楽譜上、要所要所を色鉛筆で視覚的に分かるようにして、再度練習するのが有効だと思う。
アダージオは「一人芝居」を意識するようにと。確かに、一人の俳優がステージで、若干大げさに一人芝居を続けるようなイメージだ。フレーズを大きく取ることが重要。
フーガは、最初、テンポを早く取りすぎて後半乱れてしまった。少し遅めのテンポを取りつつ、強拍部で主唱と対句の縦軸をバシっとそろえる指示をいただいた。
と、細かい修正をやり直していくうちに、あっという間に一時間経過。今日はトッカータだけで終わってしまった。
しかし、ほぼほぼ粗い部分の抽出は終わったので、次回は暗譜をして、フーガのテンポを上げるようにしたい。
著者/金子勝子
発行/ショパン社
自分の先生に、なかなか訊くことができない素朴な疑問や悩みに、師匠・金子勝子先生がズバリ本音で答えています。例えば、「二人の先生につきたいが、今ならっている先生に言い出せないのですが‥‥」「自分の先生のリサイタルのとき、楽屋に行ってもいいものでしょうか‥‥」「音大に社会人入学で自信が持てない‥‥」。ぜひ!