「ブルグミュラー」の人気は安泰かな

2019年3月1日

2008年度、ピティナ・ピアノステップで演奏された人気課題曲は?

1位から3位まで、ブルグミュラー『25の練習曲』が独占。1位が『アラベスク』、2位が『貴婦人の乗馬』ですか。これ、私が小学生のころに人気投票しても、ほぼ同じ結果になった気がします。個人的には、第12番『別れ』がランク外というのが意外かな。

小学生、特に女の子って、基本的にポピュラーな曲が好きだと思うのです。『エリーゼのために』とか『小犬のワルツ』とかね。小学生の女の子って、だいたい “走り”が速くて、話が面白い人気者の男の子を好きになるじゃないですか。弾きたい曲も好きになる男の子も、ま、メジャー志向ですから。

私だって、小学生低学年のころ、高学年の女の子が習っていたブルグミュラーの『別れ』を、「わ、なんて大人の曲なんだ!」と憧れましたよ。でも、私が通っていたピアノ教室は、男の子が私一人だったので、先生は発表会で中田喜直の『土人の踊り』を弾かせようとしたんです。私、心の中で「先生、男の子だから『土人の踊り』だなんて、安直すぎだよ!」とか、子供心に思いましたね。今、聴くと、なかなか楽しい曲ですけどね。当時はやっぱり、ブルグミュラー系を弾きたかったな。

でね、ようやくバイエルの終わりが見えてきて、「ブルグミュラーだ! 『別れ』だ!」って楽しみにしてたら、先生は私の母親に「うさぎくんには、カバレフスキーがいいですよ」とか言ったのです。「先生、何それ、カバって! カバなんて嫌だ! 『別れ』を弾きたいのに…」とずいぶんと憤ったのですが、次の週、先生はしっかりカバレフスキーの『こどものためのピアノ小曲集 Op.27』の楽譜を買ってきました。中学生になって、この曲集、弾いてみたらホント素敵な曲ばかりでびっくりしましたがね。

あれから30年の歳月が流れました。この先30年後もブルグミュラーの人気である安泰な気がします。


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