ピティナ・ステップで大崩落(前編)
それでは、先日の悲惨なステップの報告であります。
今回の会場は、さいたま市産業文化センター。埼京線の与野本町駅から歩いて5分の地にあるパブリックスペース。私は第7部に参加、夕方5時40分から受付とのこと。
昼2時半に家を出て、まず渋谷のヤマハへ。金曜に持って帰るのを忘れた楽譜を受け取り、スタジオで一人リハーサルすることにした。日曜昼間の渋谷、原宿って、私はどうも好きになれない。なんら日本の内需拡大に寄与しなさそうな(お金を使わなさそうな)若いカップルが歩道橋をゆるーいスピードで並んで歩いてたり、エスカレーターで手をつないで渋滞を作ったりしていて、いつも割り込んで追い抜きたい衝動に駆られてしまう。手をつないでもよし! 内需拡大に貢献しなくてもよし! ただし縦列で歩け! と指導したくなります。とまぁ、この日は、渋谷に着いたあたりから、精神的にニュートラルでなかったのかも‥‥。
一時間ほどスタジオで一人リハーサル後、渋谷駅から埼京線に乗って一路北へ。途中、武蔵浦和駅で快速に乗り換えて与野本町駅に到着。埼京線というのは、赤羽駅をすぎると高架の駅ばかりになるのですが、プラットホームがコンクリート打ちっぱなしで似通っているため、武蔵浦和駅と与野本町駅の違いがまったくわからなかった。おまけに駅名まで、北与野、与野本町、南与野、武蔵浦和、南浦和‥‥と、微妙な違いでとても紛らわしい。一つ駅に停車するごとに窓の外をのぞき、ホームの駅名表示を確かめる。
この日、昼間は暖かかったのに、与野本町駅に着いた頃には太陽は暮れてホームは冷たい風が吹き抜けてました。改札を出ると、寒空の下、いきなり電飾チカチカのパチンコ屋。高架下にはローカルな居酒屋が並んでいるし、消防署からは救急車が緊急出動するし、正直、「オレ、何するんだっけ」と演奏をしに来たこと忘れそうになっちまった。
五分ほどで会場のさいたま市産業文化センターに到着。ところが、これまた入り口が真っ暗、閉館しているかと思いましたよ。青い電灯が休日の病院みたい。とにかく入り口を入ると、若女子が受付に座っていてホッとした。参加票を渡してロビーで待機。このロビーが暗くて、夜間休日医療センターの待合室にいるような気分。指がかじかまないように、ポケットに手をいれて、時間を待つ。
いつも通り、参加者の点呼の後、並んでホールの中へ。グランミューズの全国大会にも出られた有名な人がいたので、声をかけてみる。一瞬びっくりされたが、すぐに打ち解けてお話をする。
さてさて、今回、私は三番手。「発展2」というステップにチャレンジ。だが、一番の目的は、昨年11月の昭和音大でのステップでは弾き直しをしてしまい、12月の発表会では開始早々につまづいて、いずれも満足できなかったショパンのノクターン第一番のリベンジ。二番目の目的はバッハのシンフォニアの「卒業演奏」だった。課題曲が、シンフォニアの変ロ長調で、自由曲がショパンのノクターン第一番。
三番手なのですぐに私の出番。気持ちよくバッハのシンフォニアを弾きだしたものの、七小節目、第二提示部にかかったところで、いきなり記憶がぶっ飛び、何も弾けなくなってしまいました。
‥‥‥。
仕方なく、再度、最初から弾き直し。ひと月ほど暗譜で練習しているから、平常心で弾けばそのまま弾けるはずと思ったけど、またも同じ箇所でフリーズ。いわゆる「暗譜落ち」です。
‥‥‥。
制限時間もあるのでシンフォニアは諦めて、ショパンのノクターンへ。こちらは、さすがに三度目だけありスムーズに最後まで弾けた。でも、たぶん落胆した表情で弾いていたんだろうな。一曲の演奏を途中棄権したのなんて、生まれて初めて‥‥。
ま、そもそも今回のステップに参加しようと思ったのは、発表会で納得できなかったショパンのノクターンをやり直すこと。初期目標は貫徹できたけど、これでシンフォニアを卒業するのは気持ちが悪いです。
第七部は8人が参加。私が高速道路で横転したためなのか、何だか後ろの人々の演奏も次々クラッシュして、玉突き衝突事故のような状態に。最初に事故ったの私です。すいません‥‥。終わってから周囲を見ると、何だかみんなどんよりしていた気がする。
この後、用事があったので、結果は宅急便で送ってもらうことにして会場を後に。何だか意気消沈のステップでありました。
ま、そんな中でも良かったことは、今回も二人ほど参加者と友達になったこと。友達作りは私の特技なのです。また、どこかでお会いできることでしょう。楽しみ、楽しみ。
さて、今回の総括は(後編)にて。
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