ベルク「ピアノソナタ Op.1」byグレン・グールド
グレン・グールドの演奏、アルバン・ベルクのピアノソナタ Op.1 ロ短調。ロ短調のソナタというと、リストのソナタを思い出しますね。ワンテーマの楽想という点では近いコンセプトを感じます。が、この曲、どこがロ短調なんでしょう。楽譜なしで聴いている分には、ロ短調であること、まったくわからないなー。
さて、この曲、ベルクの卒業制作作品で、初演時、あまりの革新性(というか無茶な書法)により、聴衆が暴動を起こしたというエピソードが残っています。なのに、YouTubeで検索をすると、意外にいろんなピアニストが演奏しているんですね。どこか、ピアニストの心の琴線に触れる魅力があるのでしょう。確かに調性が安定していない(いや耳で聴く崩壊している)のにも関わらず、どこかロマンティックな残像を感じるのは私だけでしょうか。
グールドの演奏は、訥々とした語り口。演奏というよりも、何やら朗読を聴いているような気分になります。
演奏/グレン・グールド
レーベル/ソニー・レコード
ベルクのピアノソナタop.1ほか、クシェネックのピアノソナタ第3番op.92-4、ウェーベルンのピアノのための変奏曲op.27、9つの独奏楽器のための協奏曲op.24、グールド自身の編曲によるラヴェルのラ・ヴァルス等を収録。