2年ぶりの発表会、当たり前のことに気づく
2年ぶりに金子勝子ピアノ教室発表会で演奏
金子勝子ピアノ教室発表会に、2年ぶりに参加した(昨年はパーティーの司会だけやって、演奏しなかった)。
ここ数年、プログラムの前半は小学生・中高生・社会人が混じって演奏する。以前は年功序列で演奏していた。年齢の順番で演奏すると、子供の演奏する時間の客席はたくさんの父兄であふれるが、大人、特に社会人が演奏する時間は、閑散としてしまう。
また、社会人が同じ時間帯に固まると順番が前後になるので、同門の演奏をステージの袖やロビーで聴くことになり、ずっと残念に思っていた。
なので、子供から大人までを混ぜたプログラムの方が私は好きだ。
演奏した生徒は、幼稚園児・小学生から音高生・音大生、指導者、社会人まで◯人。合間に何度か休憩を挟むものの、朝10時半から17時半までぶっ通しで演奏が続く。
私は第一部の5番手で演奏。発表会は10時半開始で私は11時から。あっという間に本番だった。
よい演奏はステージの経験値を上げてこそ
今年演奏したのはモーツァルトの「ピアノソナタ K.331 イ長調」の第1楽章。技術的な難易度は高くないが、知名度の高いソナタかつ、モーツァルトの楽曲なので、ミスをすると粗が目立つ。
残念なことに、しょっぱなのテーマで、いきなり左手がすべってしまった。クルマでいうと、発進と同時に左の路肩に脱輪してしまった感じ。そのまま右にハンドルを切って、ぐっとアクセルを踏んだ。音楽が停まらなかったのが不幸中の幸い。「事故」にはならなかった。
テーマに続いて第1変奏も今ひとつ安定感がなかったが、第3変奏からは持ち直した。Allegroの第6変奏は少々走ってしまったが、第3・4・5変奏は持ち味を出せたと思う。
今回、初めて変奏曲をステージで弾いた。変奏曲のよい点は、一曲くずれても、気持ちを切り替えてすぐに次の曲に移れるところ。同じモーツァルトのピアノソナタでも、K.310 イ短調の第1楽章だとそうはいかず、最後まで弾き切らねばならない。
自己採点は60点だろうか。満足できる演奏ではなかった。
終了後、原因を考えた。結局、この2年間、人前で弾いていないことにつきる。
「ステージに立つのは、年に一度、発表会だけでいいか」と、この2年間考えてきた。ただ、当たり前だが、ステージは立ち続けないと経験値は上がらない。「慣れ」、経験値が上がらないと、いい演奏をするのは難しいと思った。
バッターボックスに立ち続けないと、打率は上がらない。同じくステージに立ち続けないと、演奏のクオリティーは上げられないものだ。と当たり前のことを実感した。
ピアノ教室のパーティーに提案したいこと2つ
発表会の後は、毎年、門下のパーティーが開かれる。ピアノ教室のクリスマス会のようなもの。 門下生が全員集まるのは年に一度の発表会くらいしかない。貴重な親睦会だ。
私は12年ほど、このパーティーの司会をしている。師匠・金子勝子先生の挨拶、生徒自身による自己紹介、ビンゴゲーム、プレゼント交換が基本のプログラム。飲食はサンドイッチとケーキ、ノンアルコールのドリンク。BGMは男子生徒が演奏するジャズ、ポピュラーピアノだ。
加えて、毎年、プログラムを少しずつ改良している。
改良点その1は「敗者復活タイム」。本番の演奏で「失敗した」「満足できなかった」「もう一度、演奏できればバチっと弾けるのに」と悔しい思いをした生徒が多いはず(=私)。そんな生徒に、もう一度、ステージで演奏し、心置きなく一年を終えてもらおうという時間。
毎年、1人、2人が立候補するのだが、今年は誰も手を挙げなかった。なので、私から今年、東京藝大に入学した女子を指名して演奏してもらった。彼女は本番でベートーヴェンのピアノソナタ第28番を演奏したのだが、時間の都合で、第1楽章が演奏できなかった。なので、第1楽章を演奏してもらった。もう一曲、師匠がショパンのエチュード 第一番を指定。こちらも素晴らしかった。
改良点その2は、師匠の直筆色紙。5年ほど前、ビンゴゲームの賞品として、いつもレッスンで口癖になっている言葉を色紙に書いてもらったところ。生徒・保護者に大いにウケた。こちらは自宅で練習する際、ピアノのそばに飾って、練習のモチベーションを上げてもらおうという趣向だ。
「敗者復活タイム」と「直筆の色紙」、ピアノ指導者の方は、自身の教室のクリスマスパーティーで、ぜひ試してみてください。
パーティー司会の反省事項
一方、今年の反省点としては、生徒の自己紹介コーナー。毎回「今年、うれしかったこと」と「来年の抱負」を語ってもらう。
うちの門下は、ガチでコンクールに参加したり、音楽高校入学を目指している生徒が多い。なので、どうしても夏のコンクールの結果や、ピアノ関係の話題になりがち。
ただ、みんながコンクールの結果について話すと、「今年は予選に進めなかった」「2位になった」「優勝した」等、他意はなくともマウント合戦のようになってしまう。子供は空気を読んだりしないので。
これは、会社の集団面接の面接官をした際、実際に私が体験したのだが、「私は高校時代、陸上部で活動し、県大会で入賞しました!」とアピールした学生の後に、「私は高校時代、陸上部で活動し、全国大会で2位になりました!」とアピールした学生がいて、面接の場がなんとも微妙な空気になったことがあった。
私はコンクールの順位だけにフォーカスしたピアノ教室になってほしくない。来年以降、パーティー司会をする際、気をつけようと思った。
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