発表会リハーサル、五里霧中の2年間から抜け出せた?
義務感で参加したリハーサル
12月14日(日)、今年も金子勝子ピアノ教室の発表会が開かれる。2回実施されるリハーサルの1回目に参加した。
人前でピアノを弾くのが、ここ数年、ホント苦手になり、昨年はコンクールはもちろん、門下の発表会にも参加しなかった(終演後のパーティーには司会で参加)。
ある時期から人前でピアノを演奏すると、ダメな部分にばかりフォーカスしてしまい、そんなシーンが何度か続くと、ステージに立つことが億劫になってしまった。
「ただでさえ、昼間は仕事で気が重いことが多いのに、わざわざしんどい思いをすることもなかろう。ピアノは一人で楽しめばいいや」と思うようになった。「ピアノを弾いて自己肯定感が低くなるのは、何だか本末転倒だよな」と。
もちろん、たまには人前で弾かねば!と自らを鼓舞して、今年は春に、アマチュアの練習会やピティナステップに参加したものの、やはりダメ。「このままピアノからフェードアウトするのかな」なんて思ったりもした。
そんな心模様なので、正直、この年末の発表会も今ひとつ気が乗らないまま、ここまで来てしまったのだ。「発表会で演奏する以上、最終準備をしなきゃ」と、半ば義務感で出かけたのが昨夜のリハーサルだった。
久しぶりに味わう快感
ホールでグランドピアノを弾くのは、半年ぶりくらい。演奏したのはモーツァルトの「ピアノソナタ イ長調 K.331」の第1楽章。
自分の順番が来て(平日は仕事があるので、たいてい最終走者)ピアノの前に座り、演奏を始めた途端、何やら気持ちがよくなった。一音一音がホールの空間にトーンと飛んでいく感じ。
一度、最後まで弾き通して、二度目の演奏。今度は少しダイナミックに、テンポも前のめりに弾いてみた。ホールの天井から明瞭な響きが体に返ってくる。
この気持ちよい空間と時間、すっかり忘れていた。久しぶりに自分の演奏にポジティブになれた。
25分ほどのレッスンで、師匠からは修正すべき点をいろいろと指摘を受けたけど、自分自身、久しぶりに味わう快感に軽い興奮を覚えていた。
たぶん、グランドピアノとホールの相性がよかったのだろう。何度も演奏しているピアノとホールなので、打鍵と響きのバランスもつかめている。また、客席で聴いているのは師匠一人。気負いもない。
もっともっと、ここでピアノを弾いていたいと思った。
相性のよいピアノとホールは“癒やしの場”
2年間ほど、ずっと五里霧中だったのに、今回のリハーサルで何やら霧の晴れ間が見えた気がする。
野球に例えると、夜、狭い防音室一人でピアノを弾くのは、狭い路地で壁を相手にキャッチボールをしているようなものなのかも。
壁にチョークで描いたストライクゾーンにボールを投げて入らない、跳ね返ってきたボールをうまくキャッチできない。そんな悩みで負のサイクルに陥っていた気がする。
やはり、野球は広いグラウンドのマウンドに立ちボールを投げる、あるいはバッターボックに入ってバットを振らないと、醍醐味は分からない。ピアノも、グランドピアノの屋根を全開にして、広いホールで弾いてこそ、心踊るもの。
そして、スランプに陥った時のために、相性のいいグランドピアノとホールを見つけておくのは大切だと思った。
私の場合は、比較的廉価で利用できるルーテル市ヶ谷ホールで弾くスタインウェイのセミコン、港区高輪区民ホールで弾くヤマハのフルコン「CFⅢ-S」が“癒やしの場”だ。
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