夏フェス「Sweet Love Shower 2019」初体験記
9月1日、山中湖で3日間開催される『Sweet Love Shower 2019』(以下:ラブシャ)の最終日に出かけた。今まで出かけた夏フェス(エーネーション、サマソニ、ロッキンジャパン等)と比較して、一番自分にマッチしたフェスだった。
セカオワの野外ライブを聴きたくて
3日間ある中で最終日を選んだのは、トリにSEKAI NO OWARI(以下:セカオワ)が出演するため。セカオワの祝祭的なライブは本当に素晴らしい。彼らのライブを前回はホールで観たので、夜の野外で観てみたかったのだ。
ラブシャは3日間とも朝9時25分に始まり、夜21時前に終わる。さすがに朝一番に出かけた、19時半開始のセカオワまで野外にいるのは体力的にハードなので、正午を目指して朝9時半ごろに自宅をクルマで出発した。
圏央道・中央道・東富士五湖道路経由で富士吉田インターチェンジへ。途中、2ヶ所、パーキングエリアで休憩。富士吉田インターチェンジから、会場の「山中湖交流プラザ きらら」までは地図ですぐだと思っていたら、山中湖畔の片側1車線道路を30分ほど走らなければならなかった。
正午前に会場近くに到着。民間のレストランがやっている臨時駐車場にクルマを駐めた。ちょうどBLUE ENCOUNTのライブの時間だったが、彼らのライブは2度ほど観たことがあるので、まずは腹ごしらえ。
飲食ブースは、カレー、丼、ラーメン等の有名店のほか、地元のレストランも出店していた。キッチンカーの店「空いろ」で、豚生姜丼(700円)とオーガニックジンジャーエール(400円)を買った。最近の会場では、Suica、nanaco等、電子マネーが使えるので便利。屋根のある飲食スペースで食べた。ジンジャーエールがしつこくなくて、おいしかった。
初日、2日目はあいにくの雨。会場はところどころぬかるんでおり、ちょっと馬小屋のような匂いが気になったが、雨の中、音楽を聴くことを思えば、まだましだ。昨年、大雨の中、若洲公園(東京都江東区)のフェスに出かけたことがあった。傘、雨合羽等、しっかり持参して出かけたといえ、辛かった。
初体験の素晴らしいアーティストたち
さて、この日、しっかりステージを観たアーティストは、以下7アーティスト。※印の5アーティストがライブ初体験。
- ※official髭男dism
- ※10-FEET
- ※King Gnu
- 東京スカパラダイスオーケストラ
- ※TOTALFAT
- ※MISIA
- SEKAI NO OWARI
1つ前の記事「50歳で夏フェスにデビューしたきっかけ」で書いた通り、今回も素晴らしい生の音楽に出合えた。
official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム、通称:ヒゲダン)は、ピアノポップバンド。以前から噂で「なかなかよいバンド」とは耳にしていた。“髭男”という名前から、私は最初、加藤茶と志村けんの「ひげダンス」をイメージしてしまい、ゴールデンボンバーのような存在と思いこんでいた。実際は洗練されたポップバンドだった。もっと聞き込みたいと思った。
King Gnu(キングヌー)も洗練されたスタイルで気に入った。彼らは自身の音楽について「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と称している。メンバーのプロフィールを調べると、ボーカル、ギター、チェロの常田大希くんは東京藝術大学チェロ専攻中退。ボーカル、キーボード担当の井口理くんも、東京藝術大学の声楽科出身という。ポテンシャルの演奏能力が高いことに納得。
MISIA(ミーシャ)はいわずとしれた日本のディーヴァ。彼女のヒット曲は、これまで何度も、ラジオ、カラオケ等で耳にしてきた。ライブは初めて。5オクターブの声域によるソウルフルなボーカルの力は、ライブでこそ体感できる。演奏開始は18時45分。日が落ちて、すっかり涼しくなった会場は、昼間と打って変わった「夏の終わりの大人の時間」だった。
最後にSEKAI NO OWARI。前回観たライブの一曲目は「スターライトパレード」、今回は「炎と森のカーニバル」だった。演奏開始の瞬間に、会場が祝祭空間に変わる。思わず鳥肌が立った。Saoriさんの技巧的なピアノは相変わらず素晴らしい。予定の夜19時35分を10分ほど遅れてスタートという遅い時間にも関わらず、家族連れが数多く残っていた。最高の夏休みの思い出になったに違いない。
ラブシャは家族で出かけるのが楽しい
サマソニ(SUMMER SONIC)やエイネーション(a-nation)等、都市型の夏フェスの場合、どうしてもスタジアムや展示場等、コンクリートの巨大な建物が目につく。
その点、ラブシャは、ステージの向こうに山中湖が広がり、天気がよければ(今回、曇天で稜線しか見えなかった)、富士山の雄姿が目前にそびえる。周囲は緑の山々に囲まれて空気がおいしい。
林に囲まれた「GOOD VIBES MARCHE」というスペースでは、絵本の図書館や、子ども向けのお絵かきスペース、風車のワークショップ等、ナチュラルな雰囲気のアウトドアスペースがあり、ライブの音楽を遠くで聞きながら、ここで過ごすのも心地よかった。
私の息子たちが小さい頃、まだ日本で夏フェスカルチャーはこんなに普及していなかった。このイベント、子連れで出かけたかったな。ラブシャは家族で「出かけてこそ」と思った。……家族4人で出かけると、交通費、食費を含めて、一日で50,000円ほどかかる、ぜいたくなレジャーではあるけれど。
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