大企業の経営層の多くはなぜSNSをやらないのか?

20代後半から30代は、仕事を通じて「名前が知られること」はよいことばかりでした。

ラジオ番組に出演したり、雑誌や新聞にインタビューを受けたりすると、「聞きましたよ」「読みましたよ」という声もかかり、次の仕事につながりました。転職の際は、職務経歴書に参考資料として添付することもできたし。

かつて仕事において、知名度が上がることのメリットは大きかったのです(もちろん、よい知名度が前提だけど)。一般的に「知名度が上がる」ことと「ビジネスの機会が増える」ことは比例するでしょう。売上が増え、収入が増え、よい回転が始まります。

ところが、SNSが普及した頃からでしょうか。名前が知られることによるデメリットが目につくようになりました。匿名掲示板に引用されたり、はてなブックマークに上位になると、論点からズレたネガティブなコメントが書き込まれたりして、嫌な気分になったりしました。気にしなければいいんだけど、私は煩わしくて仕方がなかった。

また、(自分の想像力を超えた)意図しない失言の可能性も拭えません。SNSは発言の一部が切り取られて、しばしば独り歩きします。個人のネット上の炎上が、会社の信頼性に直接つながってしまう時代ですから。

自己啓発系のコラムニスト、インフルエンサーは、SNSを活用した情報発信とセルフブランディングの重要性を強調します。個人事業主(あるいは小規模な事業体)の営業活動として有効なツールであることに異論はありません。ただ、その有効性はビジネスの規模と性格によって大きく変わるはず。

私の周囲を見て、トラディショナルな大企業の経営層でSNSをやっている人はホント少ないです。個人的な知名度と会社の株価は比例しませんが、個人の炎上は会社の株価に直接ヒットします。個人のSNSはリスクでしかありません。

それに、日頃、仕事で忙しいので「できれば言葉が通じ合えない人、会話が成立しない人とは接したくない」というのが本音じゃないでしょうか。

……もちろん、仕事を離れた「裏」の趣味ブログ、SNSは別ですよ。


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