若女子の見分けがつかない! 焦り、憤り、不安について
昨日の「社会人アマチュアのためのショパンエチュード大演奏会」のエピソード。演奏の話は置いといて、やっちまった赤面の出来事から記すことにしよう。
中年男性のボキャボラリーは90年代で時間停止
昨日のイベントは、参加者それぞれ運営の仕事が振られており、私は第3部の受付係でした。
で、受付係は二人いて、役割分担表を見ると、私の相棒にAさんという面識のない女性のお名前が? 今回の参加者、8割くらいはコンクールやらオフ会で面識があります。お話はしたことがなくても、ご一緒したことはある方ばかり。ところが、Aさんというお名前はまったく知りませんでした。
で、私と仲がよい同世代の中年草食系男性の参加者、Bさんに尋ねたのですね。
うさぎ「私、3部の受付をご一緒するAさんって面識ないんですけど、ご存知ですか?」
中年Bさん「知ってますよ。とっても若い女のコですよ。ピチピチですよ!」
うさぎ「Bさん、ピチピチってあんた、今どき“ピチピチ”なんて表現する人いないですヨ。一歩間違うとセクハラですヨ」
中年Bさん「あぁ、ピチピチはいけませんね。じゃあ、キャピキャピしたコです」
うさぎ「Bさん、キャピキャピってあんた、それ、90年代のボキャブラリーですよ!」
などと突っ込みつつ、「同じ中年草食系男性でもピチピチ、キャピキャピなんて言葉を使わない私の方がイケてるはずだ」と、少しばかりの優越感にひたりながら、その場を後にしました。
ショパンもエチュードも忘れた1時間
それから1時間後、3部の開始前に受付にいくと、ピチピチでキャピキャピした若女子Aさんが座っていました。
うさぎ「今日はよろしくお願いします」
若女子A「えっと、鍵盤うさぎさんですか? いつもブログ見てます! すごく面白いです!」
うさぎ「えっ? ありがとうございます。演奏はダメですが、ブログは自信ありです!」
などと、おじさん、ものの数分でテンションが急上昇してしまいました。もう、米軍の最新鋭戦闘機「F22 ラプター」の垂直上昇並みです。
今年、社会人になったばかり、いわゆるピチピチの新卒女子でした。私、会社では情報通信系の専門性の高い部門におりますゆえ、むさいエンジニア男子はいても、キャピキャピ(← しつこい!)の若女子っていないんですよ。
それから、約1時間、B to Bビジネスにおけるカスタマーサポートの重要性やら、檀れいの金麦妻が今年10周年であることやら、ショパンにもエチュードにも、まったく関係のない話を一方的にしてしまいました。
うさぎ「で、金麦妻がね。あ、金麦妻、知ってる?」
若女子A「知ってます、金麦妻! 金麦のですね?」
いやはや、いまの若女子のコミュニケーション能力は、きっと厳しい就職活動で鍛えられているのでしょう。意識高い系コミュニケーションスキルでいうところの「ペーシングとミラーリングでラポール!」って感じございました。
参考 → ラポールとは?心を開かせて良好な人間関係を築く方法
というわけで、大人げない中年男子と大人の新卒女子による受付係の1時間は、あっという間に終わりました。私はあと2時間くらいやれる自信はありましたが、彼女はステージがあるので仕方なくコンビを解消しました。
彼女が立ち去った後、なんだかこんな言葉が毛筆で心の中に描かれましたよ。
「泣いて馬謖を斬る」
まったく意味が違いますがね。
泣き、嘆き、悲しみ、おののき
Aさんのエチュード、素晴らしい演奏でした。なんて言いましょうか、いい表現が思い浮かばないですが、響きがピチピチしてました(← これが最後)。やっぱり、若女子の勢いのあるエチュードはよい!
で、彼女のステージがあった第5部が終了して、ホワイエへ。
すると目の前に若女子が立ってたんですね。
私、なんの疑いもなく、両手で拍手をしながら、満面の笑みで近づいていったのです。
が、その若女子、ポカーン。
まるで「変なおじさん」を見てしまったような困惑の表情をしています。
あれー??? 私、その向こうに立っている男性を賞賛しているかのように、拍手をしながら彼女の脇をすり抜け、すーっと通り過ぎました。これは我ながら、3.5回転のトリプルアクセル並みに難易度の高い技だったと思います。
振り返るとAさん当人が現れて、その女子と抱き合う姿が見られました。ああ、友達同士だったのね。
しかし、困ったものです。
若女子の見分けがつかない!
例えば、乃木坂46や欅坂46のメンバーはですね、一人ひとり顔立ちが違うのはわかるんです。で、一人ひとり名前を読み上げて覚えようとしても、5分後には誰が誰だかわからなくなるのです。
これ、非常につらい。90年代のボキャボラリーでしゃべる中年男性どころじゃない。こうして人は認知症の入り口に立つのだろうか?なんて、ふと思うのです。
トランプゲームの「神経衰弱」で何度やっても番号の位置覚えられない、焦り、憤り、不安と申しましょうか。または、フランツ・リストの前奏曲風にいうと「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」といいましょうか。
あとで、Aさんに、お友達に「あの人、変なおじさんじゃない」ってこと、と伝えていただくようお願いしました。
これが昨日の「社会人のためのショパンエチュードの大演奏会」、一番の思い出でありました。
やれやれ。