ピアノ、大人のオトコの「隠れ家」について


勤務先の広報スタッフから、私のピアノを社内報に掲載したいという依頼があった。「本気で趣味をやっている人の特集」とのこと。先週一度お断りしたところ、今日、わざわざマネジャーが座席まで来て 、「企画趣旨にとてもマッチするのでぜひ」と頭を下げられた。いつもお世話になっている方なので、お断りできない。

会社や取引先、仕事の関係者に、ピアノのことは話をしていない。鍵盤うさぎのことは一部の人しか知らない。

ピアノを再開した40代前半は、頑なにピアノのことを隠していた。ブログを読み返すと、2009年にこんなことを書いている。

なぜ、会社でピアノを内緒にするのか?(2009/10/20)

なぜ? それは、ピアノで仕事の足を引っ張られたくないからです。

会社組織の中で、自分のやっていることをすべてのスタッフに認めてもらうことは本当に難しいです。何か新しいことを始めたり、結果を出すため多少乱暴な手段に訴えると、必ずアンチ派、懐疑派は現れるもの。

業績が芳しくない子会社の役員が、会社帰りにピアノを弾いていることが知られたら、ここぞとばかりに陰口をたたく人は必ず現れるのです。もちろん、私が人格者でないことも理由の一つでしょうが……。

というわけで、ピアノのためにも、仕事をやりやすくするためにも、人間関係は分けておいた方がいいと思っています。

よい意味でマジメ。悪くいうと頑固だったんだな。

6年ほど前、今の会社に転職してからは、肩の力が抜けたのか、趣味を尋ねられれば「ピアノ」と答えるようになった。それでも、積極的に自分から話すことはない。

40歳でピアノを再開するにあたり、「鍵盤うさぎ」というペルソナを作った。その理由について、あるコラムで深くうなずける言葉があった(全部読むには会員登録が必要です)。

自分たちがすみかにしている場所以外に、別の顔をして別の自分を演じられる居場所を持つことは、人生においてかなり大切なことのように感じていた。
人生で本当に大切なとき、ボクたちに自由はない(燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』より

大人のオトコには隠れ家が必要なのだ。

隠れ家はバーやスナックである友人もいれば、月に一度の一人旅の友人もいるし、不倫の女性の膝の上である友人もいる。

ただ、心地よい自分の隠れ家がオープンになってしまえば、隠れ家じゃなくなくなってしまう。ここは共通してそうだ。


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