「一十三十一 plays CITY DIVE」、ビルボードライブ東京へ
シティポップ大好きです。え、「シティポップ」って何? クラシックやジャズに比べると、どうも定義があいまいですね。
以下、はてなキーワードからの引用。
シティポップ
シティーポップ、シティ・ポップス、JAPANESE CITY POPと表記ゆれ有り。1980年代の日本のポピュラー音楽のジャンル。1970年代にフォークから発展したニューミュージックが隆盛した陰で生まれた、日本語ロック(はっぴいえんど、キャラメル・ママ、ティン・パン・アレー、ハックルバック、シュガー・ベイブ、はちみつぱい、ムーンライダーズ)の流れを汲む、和製AOR/ソフト・ロックの総称。無機的かつ空想的な描写や、豊かさを背景にした享楽的傾向、或いはニヒリズムが強く表れた都市生活者の心象風景を描き出した歌詞と、高度な作編曲や演奏テクニックを駆使し、都会的で洗練されているのが特徴。1981年、井上鑑がプロデュースした寺尾聰の「ルビーの指環」が空前の大ヒットを飛ばしたことにより浸透したが、1989年の『イカ天』が火付け役となった第二次バンドブーム(BOØWY、レベッカ、THE BLUE HEARTS、ユニコーン、JUN SKY WALKER(S)、THE BOOM、プリンセスプリンセス、リンドバーグ等)や、渋谷系(オリジナル・ラブ、ピチカート・ファイヴ、フリッパーズ・ギター等)の台頭により、シーンは衰退した。しかし、シーンの重要人物は、活躍の場をCMや映画音楽、楽曲提供・プロデュースに移行していくことで、その音楽的方法論は広く受け継がれ、後の日本のポピュラー音楽に強い影響を残した。再評価され始めたのは2000年頃からで、キンモクセイやキリンジが自分達の音楽ジャンルをシティ・ポップと発言し、2006年には木村ユタカ監修『ジャパニーズ・シティ・ポップ JAPANESE CITY POP』 というディスクガイドも発売された。キンモクセイ、キリンジ、流線形、堂島孝平、比屋定篤子、土岐麻子は、ネオ・シティ・ポップと呼ばれる。
要約すると「都市生活者の心象風景を描き出した歌詞と、高度な作編曲や演奏テクニックを駆使し、都会的で洗練されている」ポップスでしょうか。
ユーミンから流線形を経て一十三十一へ
ここには名前が出てませんが、シティポップの王道は、私、松任谷由実(ユーミン)の音楽と松任谷正隆(ティン・パン・アレー のメンバー)のアレンジだと思っています。上にも書かれていますが、2004年、ユーミンが最後の逗子マリーナのライブが行われた頃から、1970年代のユーミンやシュガー・ベイブの音楽の地平を感じるアーティストによるネオ・シティ・ポップ が現れ始めました。
中でもクニモンド瀧口のユニット「流線形」は、明らかにユーミンの名盤『流線形’80』のオマージュを感じるグループで、1970年代のシティポップ好きは必ずハマれるサウンドが持ち味。芸術は模写から始まるといえますが、エレピとストリングスによる柔らかなサウンドは、まさに松任谷正隆の模写。また、歌詞の世界も東京から郊外へと続くドライブソングなど、ガチガチのソウルミュージックにはない空気感に、私はとりこになったのです。
で、2010年くらいからユニット「流線形」に参加したミュージシャンや周辺のアーティストたちに興味を持ち始めました。比屋定篤子、サノトモミ、富田ラボ、土岐麻子と芋づる式に聞きまくるようになりました。そんな筆頭アーティストが、一十三十一(ひとみとい)です。彼女のアルバムの中でも2012年リリースの『CITY DIVE』は大好きな一枚で、スポーツジムでワークアウトする際の定番に。
その『CITY DIVE』を再現するライブが、2016年5月26日、ビルボード東京で行われるというので、ワクワクしながら出かけました。前置き長すぎですね。
一十三十一 plays “CITY DIVE"(ビルボードライブ東京)
六本木アーバンナイト!
19時開演で18時半にビルボード東京に到着。一階、ステージ二列目のテーブルに通されました。1テーブル4人がけで、みんなお一人様。とてもお一人様が多い印象。
オープニング前のDJは「流線形」のクニモンド瀧口氏。ビルボード東京は、ステージの奥がガラス張りで東京の夕景が広がって見えます。まさに「流線形」の世界。この日の六本木は初夏を感じる暑さで、パイナップルジュースをオーダーすると、気分はアーバンリゾート(←死語)。
そんななか、一十三十一がジャケットとパンツルックで登場。彼女のステージは初めての体験だけど、想像どおり、小粋でおしゃれでした。ビルボードライブ東京にとってもマッチしてた。下は横浜の船上ライブですが、雰囲気は感じてもらえるかも。
ボーカルもよかったけれど、やっぱりバックの演奏がよい。シティポップは「高度な作編曲や演奏テクニックを駆使」ですから。
バックのミュージシャンは、奥田健介(ギター)、南條レオ(ベース)、冨田謙(キーボード)、小松シゲル(ドラム)、ヤマカミヒトミ(サックス、フルート)。
周囲に目をやると、来場者の年齢層は結構高かったな。私と同じくらいアラフィフが中心。かつてののユーミンの逗子マリーナのライブに出かけた人が、そのまま年齢を重ねたって感じ。
チケット代+ソフトドリンク2杯で8,800円。ビルボードライブ東京、ぜいたくなライブハウスだけど、癖になりそう。