感想/シルク・ドゥ・ソレイユ『トーテム』東京公演
2年ぶりにシルク・ドゥ・ソレイユを観ました。前回は『オーヴォ』。今回は『トーテム』。2011年の『クーザ』も観ているので、三回連続観たことになります。
前回の『オーヴォ』は初日に出かけたので、もう少し早くに観に行きたかったのだけど、平日夜の公演って意外に少ないのです。ようやく観ることができました。
会場は、前回『オーヴォ』と同じくお台場のヴィーナスフォート近くの特設会場。りんかい線の東京テレポート駅から歩いて10分くらい。4月に入ったとはいえ、海の近くで風はちょっと冷たかった。
19時開演の15分前に到着。エントランスを入るとテントの広場になっていて、中央にはデーンとスポンサーであるダイハツのクルマが。周りに食べ物や記念品ショップがあり、異国の夜の遊園地のような雰囲気。
バレエ『春の祭典』を思わせる土着的な演出
さて、前回の『オーヴォ』は昆虫の世界がテーマでした。今回はのテーマは「地球の生命の誕生と人類の創生」ってところでしょうか。舞台がある円形の劇場(?)に足を踏み入れると、真ん中には巨大な甲羅が。開演とともにスケルトンの大きな構造物になるのですが、世界のいろんな宗教を通じて、亀を世界に表しているものが多いことから、こういう舞台デザインにしたそう。
このスケルトンの甲羅が天井に上がったり、半分に傾いたりと、演出に大きな役割を果たします。
全体を通じて、ストラヴィンスキーの『春の祭典』のバレエを思わせる土着的なファッション、音楽が特徴でした。過去の公演に比較してここが斬新だった気が。私は大好きだけど、音楽、ファッション共に好き嫌いが分かれそう。
特にロシアンバーのオーストアリアの先住民・アボリジニ風に全身がペイントされた夜光性のファッションは、周囲の子供は怖がっていました。
私も、駅の巨大なポスターで最初に派手なメイクのキャラクターを目にした時、ちょっとギョッとしました。
鍛え抜かれたパフォーマーの肉体が美しい
一方、人間の肉体の美しさに改めて魅せられた。オリンピックの器械体操やフィギュアスケートも美しいけれど、スポーツではなくエンターテインメントを追求すると、ここまで美しくなれるのか!と感動しました。
器械体操の吊り輪を使用した「リングストリオ」(写真左上)は、クールな男性二人とビキニ姿の女性によるラブコメディ風。愉快なストーリーなのにパフォーマンスはダイナミック。観客から感嘆の声が何度も上がっていました。
また、「ローラースケート」(写真右上)はロマンティックなラブストーリー。アイススケートのペア競技とは違ったアクロバティックな回転に息を飲みました。
シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーたちを見ると、私たちは肉体の可能性のほんの一部しか普段使っていないことをまざまざと思い知らされます。
トイレは早めに。雨の準備も
前半・後半共に約55分、途中眺めの休憩が30分あります。合計2時間20分。休憩時間はエントランスを入ったところの広場で、軽食を食べたり写真コーナーで遊べたりできます。
ただ、大きなトイレは屋外にあり、男性はともかく女性は結構な列を並んでおられました。しかも、ちょぼちょぼと雨が降り出すし、外は寒いし。トイレは開演前に済ませておくことを強くおすすめします。
また、公演が終わって会場を出たら、結構、雨脚が強くなっていました。傘を持ってこなかったので、東京テレポート駅まで約500メートルの距離をダッシュすることに。小さい子供を連れた家族連れは、せっかくいい時間を過ごした後だけに、とても気の毒でした。
会場周辺にコンビニはなくビニール傘を購入することができません。天候が不安な場合は、傘を持参することも強くおすすめします。
ともかく、シルク・ドゥ・ソレイユ『トーテム』、期待を裏切らないエンターテインメントでした。
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