フランツ・リストと西野カナは同類項なのか!
「同類項」という言葉が頭をよぎりました。フランツ・リストと西野カナ。
同類項
代数式で、係数は異なるが、他の因数がそれぞれ等しい指数をもつ同一の文字からなる、二つ以上の項。比喩的に、同じたぐい。なかま
定額制音楽サービス「Apple Music」を利用するようになって、これまで積極的に聴かなかったJPOPの女性ボーカリストのアルバムを聴聴くようになりました。JUJUやら、加藤ミリヤやら、MINMIやら。CDの時代なら、絶対にアルバムを買ったりしなかったアーティストたちです。
じっくり聴いてみると、いずれのアルバムも一枚(配信なのに「枚」って変な表現だけど)のうち、1曲、2曲は「お、いいな」と思う楽曲があります。残り8曲くらいは「もういいや」と思いますがね。
そんな中、先週、衝撃を受けたアーティストが西野カナでした。ヒット曲「会いたくて 会いたくて」、結婚式の二次会ソング「トリセツ」程度は聴いたことがありましたが、まとめて聴いたのは初めて。
で、聴いたのが、彼女の2枚のベストアルバム、2013年秋リリースの『Love Collection 〜mint〜』と『Love Collection 〜pink〜』。
2枚で全30曲、140分。挫折しそうになりながら、聴き切りました。完走しました。ぶっ倒れそうになりました。もう、お腹いっぱい。
うーん、この満腹感、何かに似てる。何だっけ?
そうだ、リストの『超絶技巧練習曲集』だ!
私、『超絶技巧練習曲集』って苦手なんです。あれ、全曲聴くと、霜降りステーキと骨つきカルビと牛タンシチューのコース料理を食べたような気分になるんです。「マゼッパ」なんて、一曲聴いただけで胸焼けしそう。
楽譜も何だか苦手、『超絶技巧練習曲集』の楽譜を見ただけで、目が回りそうです。昔、公園の遊具で、ぐるぐる回るジャングルジムがあったじゃないですか? 正式名称は「グローブジャングル」っていうらしい。あの遊具で盛り上がれる子と、あの遊具に恐怖を覚える子、2タイプいたのでは。私は後者、恐怖を覚えるタイプでした。『超絶技巧練習曲集』の楽譜って、私、「グローブジャングル」を思い出してしまう。
何ていえばいいのだろう。いい表現が見つからないのだけど、
あえていうと「ピアノ中毒」?
で、西野カナのアルバム。全曲、聴いて目が回りそうになりました。恋愛の「グローブジャングル」です。酔っ払いました。
もうね、彼女の歌の主人公は、一日中朝から晩まで、仕事中もトイレでも夢の中でも、恋のことしか考えていないのではないか?と。で、「会いたい」「今すぐ、会いたい」「いつ会えるの」「会いに来て」ってセリフが、ぐるぐる回るのです。
以下、アンサイクロペディア「西野カナ」より引用。
『君に会いたくなるから』
♪会いたかった~君に会いたくなるから~いつか会おう
『遠くても』
♪会いたくて会えなくて~会いたいの私だけなの?会えなくて切なくなる~会いたい会いたくて仕方ないよ
『会いたくて 会いたくて』
♪会いたくて 会いたくて 震える~会いたいって願っても会えない
『love & smile』
♪君の笑顔に会いたいから~会えない日も見守って
『もっと…』
♪今すぐ会いたい~今日も会えないの?いつ会えるの?会いに来て
『celtic』
♪週末会いに行くね~会えない時会いたいよ~今すぐ会いにきて
『September 1st』
♪またバイトなの?いつ会えるの?
まるで「恋愛中毒」。
そう、ピアノと恋愛、ジャンルは違えど「中毒」って点で同類項なんだよな。
しかしですね。超絶技巧練習曲集も西野カナのベストアルバムも、目が回りそうになるのに、胸焼けするのに、ずーっと聴いていると、ある一線を越えると快感に転化するんですよ。
中毒って恐ろしい。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません