第50回 金子勝子ピアノ教室発表会レポート(後編)
それでは、12月20日(日)にカワイ表参道で開かれた、金子勝子ピアノ教室発表会「第50回 飛翔コンサート」のレポート後編です。
※前編はこちら
自分の演奏は12時半すぎに終わりました。私の後ろは社会人女性のTさんで、第1部のラストバッター。彼女の演奏が終了して45分間の休憩。Tさんと1時間ほどランチをした後、ホールに戻って、延々と3時間半、後半の生徒の演奏を聴きました。
大曲続きでお腹いっぱいに
後半は「マスタークラスの部」と「コンチェルトの部」。本気で音楽の道を志している生徒たちです。
以下、門下の私だからこそ書ける率直な感想を。
受験とコンクールの課題曲ばかりで疲れた。
年末の発表会は、生徒の音楽系高校の受験と、ショパン国際ピアノコンクール in ASIAのリハーサルを兼ねているので、「町のピアノ教室」の発表会とはかなり趣が異なります。
特に今年は中学生・高校生が多いので、プログラムには大曲がずらりと並びました。ショパンのスケルツォを弾いたのが5人、バラードが2人、舟歌2人、ポロネーズ2人、ピアノソナタ1人、ピアノ協奏曲3人。ベートーヴェンのピアノソナタが5人。
ぶっちゃけ、クラシックピアノ好きの私でも、これだけ大曲が続くとしんどかった。プログラムは、師匠と幹事のお母さん方が考え込んで作ってはいるのだけど仕方がない。4人目に早くもスケルツォ第1番、5人目がスケルツォ第2番、6人目はベートーヴェンのピアノソナタ op.31-1と、大曲がえんえん続くわけです。
「町のピアノ教室」の先生なら、演奏する曲が重複しないよう、日本の楽曲や親しみやすいポピュラー曲を入れたりした上で、最後に数人の高校生がショパンのバラードを弾いてと、趣向を凝らせるのだろうけど……。
しかしなぁ、みんなショパンが大好きなのはよく分かるけれど、この世には星の数ほど素敵なピアノ曲があるわけで……。私が演奏したジャック・デュフリは、プログラムの中で異彩を放っていました。なわけで、2016年の発表会も、私はショパンを弾かないと思います。
ピアノによる「青年の主張」
マスタークラスの後半は音楽系高校に通う生徒が続き、圧巻でした。
師匠の指導方針は「ホールの奥までピアノが美しく響くこと」。プロを目指している若い生徒たちが、スクリャービンの幻想曲やら、ショパンのソナタやら弾くので、ピアノが響く響く。
シゲルカワイのコンサートグランドピアノは、いわばピアノのF1のようなもの。F1の性能を活かしきる演奏はさすが!と思いました。カワイ表参道の方は、弦が切れないかヒヤヒヤしていたかもしれない。
それから、生徒一人ひとり、音楽で言いたいこと、語りたいことがいっぱいという演奏ばかり。「これが私のスケルツォ!」という自己主張の強さが特徴だと思います。楽曲が重複していても、同じ教室の生徒なのに同じような演奏に聴こえなかった。
ピアノによる「青年の主張」という趣でした。
師匠に8年間教えていただいて思うのは、「ホールの奥までピアノが美しく響くこと」「ピアノの弾き方」に関しては厳格なメソッドをお持ちだけれど、表現については生徒のキャラクターに任せているところが多分にあるような気がします。
あと、自分が男性だからかもしれませんが、キャラが立っているといえば、女子よりも男子の演奏だったかな。「ピアノ=女の子の習いごと」という固定観点は完全に消え失せたことを実感しました。
演奏は65点、パーティー司会は95点!
発表会終了後は、恒例のクリスマスパーティー。ピアノ教室は個人レッスンなので、生徒全員で顔を合わす機会は年に一度の発表会しかありません。
なので、発表会後のクリスマスパーティーは門下にとっては重要な催し。私は過去8回参加し、毎年、パーティーの司会を務めています。
今年は50回目の発表会ということで、例年のビンゴ大会に代わり、金子勝子先生にまつわるクイズ大会を行いました。
1)市役所
2)銀行
3)鉄道の駅
3)百貨店
正解 → 2)銀行
■ 音大の卒業試験で演奏した楽曲は?
1)シューマン「謝肉祭」
2)ショパン「バラード 第4番」
3)リスト「巡礼の年 イタリア」
4)ラヴェル「鏡」
正解 → ショパン「バラード 第4番」
■ 若い頃、好きだった男性ピアニストは?
1)ダニエル・バレンボイム
2)アルフレッド・ブレンデル
3)アルトゥール・ルビンシュタイン
4)エミール・ギレリス
正解 → 1)ダニエル・バレンボイム
など10問を用意。ビンゴ大会以上に盛り上げることができて、本当によかった。自己採点すると演奏は65点、パーティー司会は95点だったかな。
また、今回は司会の相棒を現役高校生の男子生徒が務めてくれました。なわけで、パーティーの最後に司会引退宣言。彼にバトンタッチしました。あぁ、肩の荷が下りた。
なわけで、年を越してしまいましたが、以上、2015年の金子勝子ピアノ教室の発表会レポートでした。