感想/クリスティアン・ツィマーマン演奏会2015
ひと月ほど前になりますが、11月29日(日)に出かけたクリスティアン・ツィマーマンのリサイタル(ミューズ所沢)の感想をば。
ツィマーマンのリサイタルを聴くのは4回目。下が過去の感想です。
2009年以降の来日公演はすべて聴いているつもりでいたら、2010年の公演は出かけていなかったんだ。そういえば、あの年はオールショパンで、スケルツォ第2番、バルカローレ等、プログラムにそそられなかったのです。なんて天邪鬼!
今回はシューベルトの後期ソナタ2曲という、私好みのマニアなプログラムでした。
期待どおり、天上的な水準にため息が出る演奏会でした。やはり、ツィマーマンは一子相伝の暗殺拳、北斗神拳のケンシロウだなと(意味不明)。もう、彼の演奏会の素晴らしさについては書くネタありません。
なので、どうでもよい些細な感想を二つほど。
なぜ、「7つの変奏曲D.24」なの?
最初に演奏した「7つの変奏曲D.24」は、このリサイタルにおいて序曲、前菜のようなもの。実は今回のプログラムで、私一番の“謎” がこの「7つの変奏曲D.24」でした。
ツィマーマンは、リサイタルのプログラム全体を一つのソナタのように構成するんです。過去のプログラムは、屏風絵あるいは襖絵のように納得させられるものがありました。ところが、私個人的に「7つの変奏曲D.24」は決して名曲に思えず、何よりこの曲、シューベルト作かどうかもわからないのです。
ただ、完璧主義者のツィマーマンのことだから、確信をもってこの曲をリサイタルの先頭に選んだはず。どうして?
「ロンド ホ長調 D 506」「幻想曲 ハ短調 D 2E(993)」、あるいはベートーヴェンの「アンダンテ・ファヴォリ WoO 57」あたりだとしっくり来るんだけどな。 この選曲は謎でした(演奏会の大勢には影響ないけれど)。
休日、東京郊外のホールで開かれる演奏会が好き
年間会員になっているミューズ所沢は、私のホームグラウンド的存在のコンサートホール。ピアニストのリサイタルは、休日、昼から夕方にかけて行われることが多く、いつも早めにクルマあるいはバイクで出かけて、隣接する所沢航空記念公園を散歩します。
落ち葉散る晩秋の航空公園は素晴らしかった。
30分ほど公園を散歩してから、最上級のピアノリサイタルへ。終了後は、一人余韻を味わいながらクルマで帰宅。
これがサントリーホールや紀尾井ホール等、都心のコンサートホールだと、せっかくの気分が、満員の地下鉄で台なしってことがよくあります。
やはり、クラシックのコンサートは休日に限りますな。