有島京さんのポロネーズOp.26-2、グッとくる
ショパンコンクールが始まって以来、私の中でブレークしている有島京さん。
ピアニスト・有島京さんのインタビューに注目(2015/10/11)
二次予選通過ならず、残念無念であります。もっと彼女の演奏を聴きたかったなぁ。
しかし、私、若手ピアニストの演奏会には人よりも足を運んでいるつもりですが、これまで彼女はまったくノーマークでした。名前さえも知らなかった。こんな逸材がいたとは!
熊本県人吉市のご出身、現在はポーランド留学中ということで、これまであまり東京で演奏される機会がなかったのでは。
あくまでYouTubeのストリーミングとオンデマンドで聴いただけの印象ですが、観客を熱狂させる、万雷の拍手を得るようなタイプのピアニストではないと思います。だけれど、私のようなピアノヲタが、ツボにハマるとグッと引き込まれるピアニストではないでしょうか。
二次予選、プログラムに「お」と思いました。下が彼女のプログラム。
ポロネーズの選曲が私好み。普通ならアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ、英雄ポロネーズ、幻想ポロネーズを入れるでしょう。Op.26-1とOp.26-2を並べたところが有島さんらしいなと思った。
Op.26-2が素晴らしかった。
イントロのゆるいテンポの取り方、第一主題の上昇するスケールの力の抜け方、こういう微妙なニュアンスを大切にする表現が私は大好き。中間部のモノローグのような語り口も、思わず耳をそばだててしまった。若干のミスタッチはあるけれど、目指す方向性が鍵盤うさぎとマッチング率高し。
ワルツ 変イ長調 Op.42も、サロン的、室内楽的でよかった。かつてブーニンが弾いてように、Op34-3「猫のワルツ」を高速でのコーナーリング自慢のように演奏するピアニストが何人かいたけれど、「ワルツってそうじゃないだろう」と私は思うのであります。
一方、バラード 第1番 ト短調 Op.23は、ドラマティックな表現が必要になる点で、ダイナミックレンジの広いピアニストに比べると、どうしてもスケールが小さく見えてしまいました。まぁ、生で聴いていないので、本当のところはわかりませんが。
有島京さん、ぜひ首都圏で演奏会を開いて欲しい。必ず、聴きに行く!
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