原田知世の最新アルバム『恋愛小説』がいい!
原田知世のニューアルバム、発売日にiTunes Storeでダウンロード。発売日を待ち遠しく思うアーティストって、私にとって今や彼女が唯一である気がします。かつては松任谷由実もそんな存在だった。
原田知世名義のアルバムだけれど、実質、作曲家・編曲家の伊藤ゴローとのユニット作品と考えてよいと思います。この二人の共作は、2007年のアルバム『music & me』から4作目。4作目ともなるとマンネリを危惧しましたが、まったく期待を裏切らないクオリティーでした。原田知世の透明でナチュラルな世界を音で紡ぎ出す、伊藤ゴローの音楽プロデューサーとしての手腕に脱帽。私の中では、冨田恵一と共に現在最強のプロデューサーです。
原田知世自身、俳優としての演技力や歌手としての歌唱力が飛び抜けているわけではないです。レンジはとっても狭い。ただ、細野晴臣、鈴木慶一、トーレ・ヨハンソンら、彼女の魅力を引き出すプロデューサーにとても恵まれているのだと思います。むしろ才能あるミュージシャンたちを引きつけてやまない何かこそが、彼女の才能ではないでしょうか。
下はiTunesの私の「マイミュージック」(左のアルバムリストを見ると、私の趣味がアシュケナージからウェザーリポート、山下達郎まで、いかに脈絡がないかがお分かりいただけるかと)。
さて『恋愛小説』。全曲、ジャズのスタンダードナンバーを彼女が英語で歌っています。2001年にリリースされたカバーアルバム『Summer breeze』と似ています。『Summer breeze』は、キャロル・キングの「君の友達」、ランディ・ヴァンウォーマー「アメリカン・モーニング」、サイモンとガーファンクルの「スカボロー・フェア」といった“名曲”を、ボサノバのアコースティックアレンジで歌ったのもの。今回はジャズアレンジだけれど、伊藤ゴロー得意のアコースティックギター&ストリングスのアレンジが特徴的で、長年のファンにとっては「帰ってきた『Summer breeze』」という印象でした。
ただ、全10曲を通して聴いた率直な感想としては、前半5曲(ビートルズ「夢の人」、レナード・コーエン「イン・マイ・シークレット・ライフ」、メロディ・ガルドー「ベイビー・アイム・ア・フール」等)に比べると、後半になるほど冗長な印象がありました。特に最後はプレスリーの「ラヴ・ミー・テンダー」かぁ。まぁ、ここは好き嫌いでしょうが、私はちょっと‥‥。
で、プロモーションビデオも素晴らしい。原田知世の魅力が十二分に伝わってきます。
夢の人 (I’ve Just Seen a Face)
ドント・ノー・ホワイ feat. ジェシー・ハリス
原田知世は1967年生まれ、私と同じ歳。女優としてデビューした映画『時をかける少女』あたりでは、そんなにアイドルして意識していなかったのです。薬師丸ひろ子、渡辺典子との「角川三人娘」の中でも、むしろ渡辺典子が好みだった。ところが、彼女が(私も)20歳を超えたあたり、映画「私をスキーに連れてって』あたりから、ぐっと惹かれるようになりました。それから四半世紀を超えて、私のアイドルとして今なお現在進行形で輝き続けてくれることのありがたきことよ。
目の小じわまで愛おしい。最高です。幸せです。
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