師匠のレッスン、発表会の楽曲を変更した
夜8時までマネジャーの会議があり、終わってから慌ててタクシーで師匠宅へ。重役出勤ならぬ「重役レッスン」というか、大人買いならぬ「大人レッスン」というか。何とか8時半に到着。
レッスンルームに入ると、前の生徒のレッスンがまだ終わりそうになく、助かった。毎度のことだが、仕事モードからピアノモードに切り替えるのにはちょいと時間がかかる。本当は、早めに仕事を終えてちゃんとレンタルスタジオで指ながらをしてからレッスンに向かいたいのだが、なかなか実践できない。
私の前の順番の女子は、ショパンのスケルツォ第三番をレッスン中。毎年、この季節、うちの生徒は、発表会をリハーサルにショパン国際ピアノコンクール in ASIAの全国大会に進むので、レッスンではショパンばかりを聴くことになる。という私も今日は、ショパンの練習曲を持ってきたんだけど。
最初、師匠に例年になく、発表会の楽曲の仕上がりが悪いことを吐露した。「ショパンの練習曲 10-6か、バッハの平均律を引っ込めて、アマコンの予選で弾いたモーツァルトのアダージョにしようかと思っています」というと、じゃ、とりあえず全部弾いてみてと。
想定してはいたが、ショパンの練習曲は厳しい指導が入り、最初の8小節に20分ほどかかる始末。モーツァルトとショパンのレガートについては、師匠・金子勝子先生、人一倍こだわりがあるのだ。逆にいうと、この二人の作曲家の楽曲についてはレッスンの受けがいがある。
実は、バッハのフーガも自信がなかったが、「精度さえあげれば、こちらの方がいいんじゃない?」とのこと。というわけで、発表会の楽曲は、以下の二曲に変更となった。
バッハ/平均律クラヴィーア曲集 第2巻 ロ短調 前奏曲とフーガ (使用楽譜)
モーツァルト/アダージョ ロ短調 K.540(使用楽譜
気づけば、夏のアマコンの予選曲と同じ楽曲に。「ショパンの練習曲は、一年くらいかけてじっくり仕上げた方がいい。それくらい時間のかけがいのある曲だから」と。おお、一年ですか。
この曲、味わいがあるんだけれど、地味でパッと見の演奏効果がないので、どうも発表会向けではない気がする。でも、玄人が聴くとバッチリと差が出る「音楽性の難易度が高い」楽曲といえる。正直、楽譜を見たときは「これなら技術的に楽勝だろう」となめていた。実際、弾いてみると本当に「聴いてもらう」のに難しい曲なのだ。
まぁ、モーツァルトのアダージョとバッハの前奏曲はさんざん弾きこんだ楽曲なので、ずいぶんと肩の荷が下りた。フーガに集中しようと思う。
著者/金子勝子 発行/ショパン社
自分の先生に、なかなか訊くことができない素朴な疑問や悩みに、師匠・金子勝子先生がズバリ本音で答えています。例えば、「二人の先生につきたいが、今ならっている先生に言い出せないのですが‥‥」「自分の先生のリサイタルのとき、楽屋に行ってもいいものでしょうか‥‥」「音大に社会人入学で自信が持てない‥‥」。ぜひ!