国際アマコン2014、二次予選を聴いて
今日は、国際アマチュアピアノコンクール2014の第2次予選が杉並公会堂の小ホールで開かれた。私は午前中、諸々の家事を済ませて、午後、A部門の開始に合わせて出かけた。外は夏の気配。Tシャツにアロハを羽織って出かけたら、コンクールよりも夏フェスに出かけるファッションになってしまった。会場でかなり浮いていたと思う。
国際アマコンは紀尾井ホールの本選よりも、実は二次予選の方が常々楽しいと思っている。課題曲のバッハの選曲も見どころだし、自由曲からコンテスタントの個性を想像するのも興味がそそる。
今日はA部門16人の演奏を聴いた。自宅に帰って、夜、A部門の結果を知り、通過した方々の演奏を思い出して一つ気がついたことがある。
それは音楽以前に、個性的な音、響きを持っていること。同じピアノを弾いているのに、音でその人が分かるほど響きが違っているのだ。そして、何色もの音色を使い分けている。私が「この人は本選に通過するだろうな」と思った人は、全員音色に強烈な個性があった。
これはどういうことだろう?
たぶん「聴く」ことに長けた人じゃないだろうか。
自分の音色、響きを客観的に捉えないと、音色を使い分けることはできないはず。A部門で何度も本選に通過し、紀尾井ホールで弾いている人は、「弾く」ことよりも、今、どういう響きを出しているのか、出したいのか、耳をすまして「聴く」練習を日頃しているんじゃないかな。
師匠・金子勝子先生はしばしば「音の行方を追って」という言葉を使われる。師事し始めた頃、この意味がよくわからなかった。数年経ってわかったのは、“音の行方”とは、今弾いた音がどのように空間に響いて「行く」のかを意識すること。要は音を聴くことだ。
この気付きは今日の大きな収獲だった。