安田成美演じる芝居『クリプトグラム』の感想
シアタートラムで上演、お芝居『クリプトグラム』を観た。デイヴィッド・マメットの原作、小川絵梨子の翻訳・演出。キャストは安田成美、谷原章介、山田瑛璃(子役)の三人。
大好きな野村萬斎が芸術監督を務める世田谷パブリックシアターの公演ということもあるが、今回はぶっちゃけ、90年代、私が若き日の人気女優だった安田成美の舞台を観たかった! しかも、シアタートラムという小劇場で見られる!というのが出かけた理由だ(笑)。その想いは下の過去記事をご覧ください。
安田成美の舞台を語る前にドラマ『同・級・生』を(2013/11/10日)
さて、お芝居。結論からいうと、「うーむ‥‥」という感想だ。先日観た『秋のソナタ』があまりに素晴らしすぎたので、どうしても見劣りしてしまった。
まず、デイヴィッド・マメットの原作、「クリプトグラム」とは“暗号”の意味だ。暗号なだけに、観客が暗号を解く作業が求められる。しかも、日本語による翻訳なので、いかにも翻訳というセリフに最後まで心がシンクロしなかった。
マメットといえば、私の場合、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』『俺たちは天使じゃない』等、映画監督としての側面しか、今まで知らなかった。映画に比べて、この芝居は“難解”だった。
ストーリーは妻(安田成美)、夫の友人(谷原章介)、息子(山田瑛璃)の三人が、夫の浮気・失踪によって家庭が崩壊していく様子を追ったもの。それぞれが自分のことしか考えていないので、どこか三人が咬み合わない。でも、家族でさえ、親子でさえ、親友でさえ、信用しきれない人間関係の哀しさ、いたましさを描いている。
ラストで観客一同、「ここでおしまい?」とあっけに取られた、というのが本音では?
一昨日、この芝居を観た演劇好きの方に感想を聞くと、「芝居の構築ができていない」と手厳しいご指摘。
ともかく、私にとっては、同い歳、憧れのナマ安田成美ちゃんを見られた、ということだけが満足な夜だった。
相変わらず、可愛いなぁ。
しかしながら、このお芝居、私の評価は星二つ☆☆★★★。